コントラスト比1000万:1実現の「DCR」とLEDで鮮やかな映像表現

LEDバックライトを採用したメリットは、外観以外にも現れている。まず描画についてだが、グレアパネルの効果もあり非常にくっきりと鮮やかだ。細かい陰影もきちんと表現されており、ただ全体が明るいというわけではない。自動的にバックライトを調整し、コントラストを最適のレベルに整えてくれる「DCR」を搭載している。比較的全体が映像でもうまく調整して見せてくれるから、DVD鑑賞なども快適だ。「DCR」ではコントラスト比1000万:1という超ハイコントラストが実現されるため、非常にメリハリのある映像を楽しむことができる。

実際に室内で撮影した全体的に薄暗い写真を表示してみたところ、細部まではっきりと確認することができた。高感度撮影した写真などはどうしてもメリハリがなくなりがちだが、かなり色鮮やかに見ることができるようになる。映像やゲームなどを見て楽しいのはもちろんだが、クリエイティブな現場での繊細な画像補整作業などにも威力を発揮してくれるだろう。

消費電力大幅カットのEcoモードも搭載した「Senseye 3」

輝度調整は手動でも行うことができるが、便利なのはプリセットモードの利用だ。コントラストの強化、カラーマネージメント、シャープネス強化といった3つの手法によって画像補整を行う独自開発の高度画像補正技術「Senseye 3」が搭載されている。明るさを調整するだけでなく、色のにじみやぼやけも補正してくれるため、ぼんやりとした映像もはっきりと見やすくなる。スタンダード、ムービー、フォト、sRGB、Game、Ecoの6モードが用意されており、それぞれのモードに合わせてメリハリが強めの表現や、ちらつきの抑制などが行われる。

中でもEcoモードはぜひ積極的に活用したいモードだ。LEDバックライトを採用したことで従来の同社製品と比較して約36%消費電力を減らせているということだが、Ecoモードを利用すると更に約30%の電力カットが実現できるのだという。大幅な消費電力低減が実現できるため、個人で利用する上でも環境に良いが、オフィスで採用する場合にはトータルでのコストメリットもかなり出る。

Ecoモードを選択しても、極端に表示が暗くなることはない

実際にEcoモードで表示してみたところ、特に見づらいという印象もなかった。映像鑑賞やゲーム、画像加工などを行う場合には鮮やかな発色が求められるだろうが、一般的なオフィスワークでは少し暗めに設定した方が疲れが少ない。試しに標準モードで見続けるのが辛くない程度に輝度調整をしてからEcoモードと切り替えてみたところ、ほとんど差が出ない状態だった。オフィスワークやネット利用程度ならば全く問題ない。むしろ、この設定が一番見やすいという人もいるのではないだろうか。