なんとなく突出した話題が見あたらなかった2010年5月。iPadが発売されたが、すでに話題に上っていたためか急上昇ランキングには見あたらず。そんな中、静かに見送られた人たちがいた。

2010年5月のGoogle検索急上昇ワード

■通常検索ランキング
順位 ■パソコン検索 ■モバイル検索
1位 ラッシャー 木村 日韓戦
2位 世界 卓球 日本 ダービー
3位 石原 真理 春日 住所
4位 青田 典子 アニソン 三昧
5位 谷 亮子 楽天 銀行
6位 パックマン 三宅 智子
7位 楽天 銀行 ハガネの女
8位 秋元 玲奈 有坂来瞳
9位 アニソン 三昧3 ニーコ2
10位 三宅 雪子 早慶戦
■イメージ検索ランキング
順位 ■パソコン画像検索 ■モバイル画像検索
1位 登坂 茉里子 七海 綾音
2位 浜崎 瑞穂 ラッシャー 木村
3位 脇澤 美穂 わさお
4位 寝ろ 比企 理恵
5位 北林谷栄 佐藤 慶
6位 シェイ リーン ボーン 渡辺 奈緒子
7位 伊達 あい 菅原 沙樹
8位 chipo 湯原 麻利絵
9位 三宅 雪子 月刊 叶姉妹
10位 菅原 沙樹 三宅 智子
■その他の検索ランキング
順位 ■ニュース検索 ■動画検索
1位 不審死 まつげエクステ
2位 上場 廃止 沢尻 エリカ
3位 小林 達之助 西野 カナ
4位 岡本 ホテル 木村 カエラ
5位 山陽道 akb48
6位 福田 衣里子 綾瀬 はるか
7位 あかつき exile
8位 山田 優 ほしのあき
9位 ワクチン 接種 いきものがかり
10位 非常 事態 宣言 saymove
※本データは、Google Zeitgeistのアルゴリズムに基づき、日本における検索傾向を集計したものです。前月から検索量が増加しているクエリを抽出しています。提供/Google

バックナンバー

2009年総合 ■2010年1月 ■2010年2月 ■2010年3月 ■2010年4月

政治家が(当企画)史上初の画像検索ランクイン

PC検索ランキングの1位は、訃報のあった元プロレスラー「ラッシャー木村」。モバイル画像検索でも3位にランクインしている。1970~80年代に最も活躍し、還暦を過ぎるまで現役を貫いた人物だ。当時を知るファンは現在30~40歳代だろう。この世代はネットをPCで利用することが多いとされているが、ランキングの結果からもそれが伺える。反対に、モバイルでは画像検索にランクインしていることから、ラッシャー木村の顔・姿を知らない若い世代が、ニュースを見て画像を探していたものと推測することもできそうだ。

パックマン」(6位)は、5月22日に掲載されたGoogleトップページのロゴイラスト(Doodle)だ。Googleユーザーなら目にしたであろう。DoodleはひねりのあるアイデアでGoogleのロゴを取り込んだものが多く、何かの記念日や祝祭日などに登場する。今回はゲーム「パックマン」誕生30周年を記念したものだった。通常のDoodleはイラストと関連検索結果の表示だけだが、今回は実際にパックマンをプレイすることができる仕掛けとなっていた。ゲームは256面まで用意され、さらにオリジナルのバグまで忠実に作り込むという念の入れよう。評判の程はパックマンが"食べた"ユーザーの時間からも明らかだ。

PC画像検索は今回も美女が多く並んでいるが、注目は9位の「三宅雪子」衆議院議員。昨年8月の選挙で当選したいわゆる"小沢ガールズ"と言われる民主党所属新人議員の一人だ。三宅議員は、5月12日の衆院内閣委員会において、国家公務員法改正案が強行採決された際の混乱で転倒。翌日、車いすに座る姿がテレビ等で報じられ、注目された。ところで肝心の法案の中身がどんなものだったのか、覚えている人はいるだろうか……。結局、国会閉会間際に就任した菅首相が、選挙対策のため会期を延長せず閉会したことから同改正法は廃案に。2年前に成立した「国家公務員制度改革基本法」は、国家公務員人事の一元管理・天下り禁止などの目的を持ちながら、幾多の内閣や政権交代を経て、またしても具体的な形が与えられないままの形となった。良くも悪くも、あの強行採決が何の意味も成さなかったわけだ。やはり国民の記憶に残るのは、この転倒事件だけとなるのかもしれない。

ほぼすべてがタレント・歌手などの名前で埋まった動画検索では、1位のみ別カテゴリの「まつげエクステ」がランクイン。"エクステ"はextensionの略で、一般的には拡張・伸長などの意味だが、ファッション方面では"つけ毛"の意味で使われる。では「まつげエクステ」は"つけまつげ"かと思いきや、そうではない。地毛のまつげに人工の毛を接着剤で付けていくという、聞けば単純だが何とも涙ぐましい美容術のことである。ギャルメイクの必需品であるだけでなく、30代以上の女性にも浸透しているようだ。現在では専門のサロンで施術するだけでなく、材料を購入して自分でつける人も多いようだ。動画サイトはこうした女性たちの技術向上に役立てられているのだろう。ただし、接着剤が目に入って炎症を起こすなどのトラブルもあるそうなので、注意が必要だ。

おすすめリンク

パックマン(Google):評判のパックマンがいつでも遊べるようになった
三宅雪子 (miyake_yukiko35) on Twitter:フォロワーとも積極的に接している

モバイル画像検索では犬がランクイン

以前からモバイルとテレビとの親和性の高さが言われているが、今回モバイル検索ランキングに入っているワードにもテレビ番組や出演者の名前などが多く見られる。そんな中、4位に入った「アニソン三昧」はテレビではなくラジオ番組。これはNHK FMラジオによる、特定のジャンルに限定した長時間の特別番組「今日は一日○○三昧」のひとつ。毎年大型連休には連日放送予定が組まれており、今年は「"清志郎"三昧」「"サッカー音楽"三昧」などに続いて「"帰ってきたアニソン"三昧」が5月5日9:20~25:00の日程で放送された。実は2008年に「"アニソン"三昧ファイナル」と題した番組が放送されたのだが、これがファイナルとならず約1年5ヵ月ぶりに復活した形となった。ネット上でも大いに盛り上がりを見せ、2ちゃんねるではたびたび各所のサーバが落ち、またTwitterではハッシュタグ「#anisonzanmai」がトレンドのトップに登った。テレビ・ラジオとネットは、お互いを補完し合う形でメディアの新しいスタイルをもっと開発していける存在なのだろう。

モバイル画像検索で女性の名前が並ぶ中、唯一人外から3位にランクインしたのは、ブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」で有名になったモジャモジャ犬「わさお」だ。青森県鰺ヶ沢町のイカ焼き店に住む犬で、秋田犬では珍しい長毛と純朴そうな顔立ちの、もっさりした可愛さが魅力。しかし、わさおが最初にブログ界に登場したのは2008年。その後、テレビや雑誌に紹介されて反響を呼び、写真集や関連商品なども発売されている。なぜこのタイミングでランク入りしたのか不思議に思ったが、公式ブログによると5月の始めにわさおの先輩であり師匠であった"チビ"が永眠したとのこと。18歳だったそうだ。この2~3年は騒がしいこともあっただろうが、最後まで飼い主のお母さんやわさおと共に居られたことは、きっと幸せだったのだろう。

おすすめリンク

オリエンタルラジオ中田敦彦のブログ:「アニソン三昧」出演後に炎上したが、その対応がプロだった
わさおに会いに行くときのお願い:有名犬だけど、普通のくらしが大事です