モバイルユーザーにとって、パフォーマンスとバッテリ駆動時間、サイズ/重量のバランス追求は永遠のテーマだ。今回試す「ThinkPad X201s」は、フットプリントの小さなThinkPad X201シリーズのなかでも薄さに特化しながら、同時にパフォーマンスとバッテリ駆動時間も犠牲にしないことをコンセプトにした、上級グレードのモデルである。

試用機の主なスペック [CPU] Intel Core i7-620LM(2.00GHz) [チップセット] Intel QM57 Express [メモリ] 2GB [HDD] 320GB [グラフィックス] Intel GMA HD [ディスプレイ] 12.1型ワイド(1,440×900ドット) [バッテリ駆動時間] 約4.1時間 [サイズ/重量] W295×D210×H20.7~28.7mm/約1.17kg [無線LAN] Intel WiFi/WiMAX Link 6250AGN(IEEE802.11a/g/n) [OS] Windows 7 Professional 32bit版

ThinkPad X201sを手に取り、通常のX201と比べて異なると感じるのはまず薄さ、次に軽さだ。まずは薄さだが、ThinkPad X201sは最薄部で20.7mm、最厚部で28.7mmとなっている。X201も最薄部では20.7mmで同等なのだが、違うのは最厚部だ。X201の最厚部が35.3mmであるから、X201sの方が6.6mmほど薄いことになる。一方でフットプリントはW295×D210mmで共通。薄さ分ということだろうか、X201sの質量は約1.17kgでありX201の約1.41kgと比べても240gほど軽量だ。どちらも数値として見ればわずかに感じてしまうかもしれないが、実際に手に持って長時間のモバイルをしてみればこの小さな差が大きく感じられる。

フットプリントはW295×D210mm。20.7~28.7mmという薄さも手伝って、大きなバッグでなくともすんなりと入るサイズだ

最薄部である前面。右側にラッチとメモリカードスロットを装備

インタフェースはX200から変更は無く、左側面にはACアダプタ用ジャック、USB 2.0、D-Sub、LAN、無線オン・オフスイッチ、ExpressCardスロットを装備

右側面にはUSB 2.0、オーディオ入出力、モデム端子、HDDベイ、セキュリティロックスロットを装備

液晶ディスプレイのサイズは12.1型ワイドで解像度が1,440×900ドット。このサイズのモバイルノートとしては比較的高解像度であることに加え、14インチワイドのT410sとも同等の解像度である。特に表計算ソフト等のビジネスソフトでは、一度に確認できる画面の情報量が重要となってくる。

液晶パネルは12.1型ワイドとコンパクトながら1,440×900ドットと高解像度であるのが特徴。X201通常モデルでは標準が1,280×800ドットであり、ひとつ解像度が高いことになる

キーボードはThinkPad伝統の6列キーボード。小さなボディではあるが、キーボードは十分な大きさで入力は快適だ。キーレイアウトはT410シリーズのようにDeleteやESCキーが大型のものではなく、従来どおりのものとなる。世代が変わったのだから新しい配列のキーボードに統一すると思っていたのだが、旧来の配列を引き継いでいるのは従来のユーザーを考慮したためだろうか。個人的にはこのあたりで思い切って切り替えて欲しかったところだ。また、キーボード中央にはトラックポイント、手前には左右中央の3つボタンが配置されている。タッチパッドや指紋センサーに関してはカスタマイズモデルでオプションとして選択できる。

キーボードはX200と同じレイアウト。トラックポイントや3つボタン、6列キーボードなどThinkPadの伝統的なデザインを受け継いでいる