カメラはiPhone 3GSの300万画素から500万画素にアップした。とはいえ画素数という点では、今日のスマートフォンの中では控えめである。だがJobs氏に言わせれば、スナップ中心に使われるモバイルデバイスのカメラ機能で重要なのは、小さなレンズと限られた機能の中で、暗い室内などでもユーザーが簡単にキレイな写真を撮れることである。だからiPhone 3GSからタップ式のAFを採り入れ、iPhone 4では裏面照射型のセンサーとLEDフラッシュを採用した。また画素を高密度化せずに、同じ画素サイズ(1.75μm)のまま300万画素から500万画素に向上させた。

簡単にキレイなスナップ写真が撮影できるバランスを追求

iPhone 4でシンプルに写しただけ、一切レタッチしていないという撮影例

カメラシステムにフロントカメラが加わったことで、セルフポートレートが可能になり、またビデオ通話「FaceTime」が追加された。

前・後のカメラの切り替えは、カメラ・アプリの撮影モードで右上のアイコンをタップする

これまでに何度もiPhoneにiChatのビデオ通話が組み込まれるという噂が現れては消えたが、iChatではMobileMeやAOLアカウント所有者に利用が限られる。FaceTime通話はiPhone 4同士でWi-Fi経由のみという条件があるものの、電話と同じようにかけられる。コンタクトとは別に友だちリストを管理したり、ログインするなどの手間は不要。電話機能に融け込んでいる。

テキストメッセージと同じように、コンタクトから簡単にビデオ電話(FaceTime)をかけられる

2007年のiPhone発表時にJobs氏がデザイナーのJonathan Ive氏にステージから電話したのを、今度はFaceTimeで再現

FaceTime対応デバイスは、近いうちにiPhone 4以外に広がりそうだ。AppleはFaceTimeを業界にオープンに展開するという。またJobs氏は「Appleは2010年に"10's of millions"のFaceTimeデバイスを出荷する」とした。iPhone 4ではなく、FaceTimeデバイスである。iPod touchのFaceTime対応を期待させる一言であり、また同社が新たなコミュニケーション手段としてFaceTimeを定着させようとする意気込みが伝わってくる。

「10's of millions」のFaceTimeデバイスを年内に出荷するという

FaceTimeのWi-Fi限定については「2010年はWi-Fiのみ」という表現だった。先を見据えて、通信キャリアとの取り組みも進めている模様だ。Appleはサービス品質を重視しており、そのため現時点ではWi-Fiのみである。

FaceTimeのプロモーションビデオでは、カップルがFaceTimeを使って手話で会話するシーンが登場し、そこで会場から自然に拍手がわき起こった。こういうユーザーの心に訴えるアピールがAppleはうまいというか、手話シーンから会場のビデオ電話を歓迎するムードが一気に高まった。このシーンから、AppleのいうFaceTimeの「優れたルックスとサウンド」は、手話でスムースにコミュニケーションできるような品質であることが読み取れる。

OSの新名称は「iOS」

4月のプレビューイベントで紹介済みのiPhone OS 4については、リリース候補版の提供と名称変更を発表した。新名称は「iOS」。iPhone以外のiPhone OSデバイスが増えたための変更だが、iOSというとCisco Systemsのネットワーク機器制御用OS「IOS」を思い出す方も多いと思う。Appleは開発中の製品の情報を発表ギリギリまで隠すため、過去に何度か商標問題に陥った。3年前に「iPhone」の商標問題でCiscoともめ、「iPad」では富士通と衝突した。しかし今回は、すでにCiscoと商標使用のライセンス契約を交わしているという。ちなみにFaceTimeも、FaceTime Communicationsというコミュニケーション製品を提供する会社が登録商標を有していたが、Appleが買い取ったという。

iPhone OSが「iOS」に。今回は商標問題にも対応済み