AppleはiPhone OSとARMプラットフォームをどこまで拡大しようと考えているのか。米Computerworldは、米Appleが現在行っている従業員募集要項から、同社がiPhone OSを新たなプラットフォームに展開することを計画していると報じている

問題となっているのはAppleが出したこの募集要項だ。職種は「エンジニアリングマネージャ(プラットフォーム育成)」、勤務地は本社のある米カリフォルニア州クパチーノ、仕事内容は下記のようになっている。

The Core Platform team within Apple's Core OS organization is looking for a talented and inspired manager to lead a team focused on bring-up of iPhone OS on new platforms. The team is responsible for low level platform architecture, firmware, core drivers and bring-up of new hardware platforms. The team consists of talented engineers with experience in hardware, firmware, IOKit drivers, security and platform architecture.

ポイントは「bring-up of iPhone OS on new platforms.」(新プラットフォームにおけるiPhone OSの育成)のフレーズだ。どのプラットフォーム(あるいは新規のプラットフォーム)かはわからないが、既存のiPhone/iPod touchやiPod、iPadだけでなく、iPhone OSのさらなるラインナップ拡大を図っていることがわかる。また非常にローレベルのアーキテクチャやファームウェア、ドライバ、新規ハードウェアプラットフォームといったものに対する理解も必要とされており、スクラッチからプラットフォームを起こす必要性が考えられる。

だが一番気になるのはどのプラットフォームへの展開を検討しているかだ。可能性はほぼ無限にあり、既存ラインナップでもTime CapsuleやAirport Expressといった周辺機器、またTiPbブログが指摘するようにApple TVのリフレッシュ、あるいはMacBook Airのように薄型ノートPCのラインを置き換えてしまうこともあるかもしれない。ARM採用でパフォーマンスは低下するものの、省電力や価格面ではメリットを享受できる。いっそ、MacBookやMac miniといった下位ラインナップから順にARM+iPhone OSを展開することも可能だろう。

ARMプロセッサを組み合わせてエンタープライズサーバを構成することも突拍子のない話でもない。Apple自身が現在建設中のデータセンター(「建設中のApple巨大データセンターが空撮される - 10億ドル規模投資か」)に何かしらの形で活用することも可能だ。

こうした一連の求職票の効果が出てくるのは早くて数年後だとみられるが、いまから将来のiPhone OSの姿を想像して楽しむのも悪くないだろう。