もうひとつ、SAP認定コンサルタント資格を取得することで得られる大きなメリットがあります。それは資格取得のための学習過程において、SAPシステムの概要や土台をなす業務の基礎知識を得られるという点です。

SAPソリューションアカデミーを受講すると、SAPシステムの概要や基礎を体系的に学習できることに加え、該当する業務モジュールに関する業務知識/ノウハウを学習することができます。

たとえば、財務会計の業務モジュールをSAPソリューションアカデミーで受講すると、日商簿記検定の2級程度の会計知識を取得することができますし、サプライチェーンマネジメント関連の業務モジュールを受講すると、物流業務の基礎を学習することができます。このように資格取得者のスキル向上にも寄与することは大きなメリットであると言えます。

たしかにSAPシステムの導入経験が長いコンサルタント/SEであれば、SAPソリューションアカデミーを受講しなくても、SAP認定コンサルタント資格を取得することは可能です。ただし、SAPコンサルタント/SEがSAPシステムの導入プロジェクトに参画する際には、プロジェクトの一員として、非常に狭い領域を担当することが多いため、SAPソリューションアカデミーで学習するような概要/基礎に触れるチャンスを得られないことが多いようです。会社が費用を負担してくれるのであれば、ぜひSAPソリューションアカデミーを受講することをお勧めします。

受講費用を負担する企業にも、「SAPソリューションアカデミーを社員に受講させることができる企業は、しっかりとした研修体系を有し、社員に高いレベルの教育を施すことができる」という評価を市場で得られるというメリットがあります。筆者が所属している日立コンサルティングにおいても、中途採用を中心にSAPコンサルタントの採用を実施しています。SAPコンサルタントに対しては、さらなるSAP認定コンサルタント資格の取得を推奨し、ソリューションアカデミーへの派遣も積極的に行っています。