【国土交通省】日本郵便へ運送事業の許可取り消し処分

国土交通省は6月25日、運転手への不適切な点呼が発覚した日本郵便に対し、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す処分を下した。これに伴い、トラックなど約2500台の車両を使った集配業務が5年間行えなくなる。悪質な違反が確認された全国73郵便局の運行管理者211人の資格も取り消した。

 日本郵便の不適切点呼を巡っては、1月の発覚以降、同社が全国の郵便局について、社内調査を実施。全国の郵便局の7割超で配達業務を担う運転手へのアルコールチェックなどの点呼未実施や、記録の虚偽などの不備があったことが明らかになった。国交省は4月から特別監査を実施。行政処分とともに、確実な点呼の実施などの対策を講じて報告も求める事態となった。

 運送事業が取り消されたトラックは、主に大口顧客向けの集配や拠点間の荷物配送を手掛けていたもので、これらの業務を日本郵便は当面は大手運送会社などへの外部委託やグループの軽自動車の活用などで代替して影響を抑制するという。

 すでに佐川急便や西濃運輸などとの間で一部業務を委託することが決まったもようだ。小型薄型荷物の協業についての対立で訴訟に発展していたヤマト運輸に対してさえも一部業務を委託をせざるを得ない状況だ。

現時点では、「郵便物やゆうパックの配達が滞っていることはない」(日本郵便)とするものの、お中元や参院選などのイベントを控え、物流への影響が懸念されている。

 国交省はトラックの許可取り消しに加え、約3万2千台の軽自動車についても輸送の安全確保を命令した上で監査を継続。車両使用停止処分などがさらに出る可能性もある。そもそも今回の点呼業務の実態について省関係者は「民間の運送会社なら事業が継続できないレベル」と指摘。物流への影響がないように配慮しなければいけないことから外部委託を促している。

 同社の運送事業者としての安全軽視の体質はあまりにも見過ごせない次元だったことから、物流業界の勢力図が結果的に変化したとしても厳しい処分で臨む構えだ。

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