このように「グローバルのベストプラクティスを実現したシステム」であるSAPシステムですが、SAPシステムを導入するコンサルタントは、そのスキルを有していることを公式に認定する資格であるSAP認定コンサルタント資格を取得していることが前提となっています。この資格は当然グローバル共通の資格です。
SAP認定コンサルタント資格とは、SAPの実施する認定試験に合格することで取得できるSAP公式の資格です。認定資格一覧がSAPのサイトにありますので、確認してみてください。
SAPはご存知のとおり、ソフトウェア製品であることから、認定資格は製品とバージョンに依存します。たとえば「Financial Accounting 2005」という資格は「SAP ERP 6.0」という製品&バージョンの財務会計モジュールの資格です。これはつまり、SAP ERP 6.0が市場にある限りその認定資格は有効です(2009年12月時点では、SAP ERP 6.0の製品&バージョンの終了期日は2015年3月31日とされています)。
SAP認定コンサルタント資格を有していることで、資格取得者はSAP認定コンサルタントとしてグローバルで認定されます。認定後は、公式に名乗ることをゆるされます(名刺へのタイトル記述、提案書の経歴への資格名称の記載など)。また、資格取得者にはユーザーIDが付与され、サービスマーケットプレースにアクセスし、SAP製品の最新情報を取得することが可能になります。
非常に有利な資格といえますが、では取得する過程を見てみましょう。
まず、認定試験は受講するために数万円が必要となります。また、まったくSAPに携わったことのないコンサルタントやSEが受験して合格するには、控えめにいってもかなり難易度が高いといえるでしょう。SAPソリューションアカデミーの受講、または過去にSAPシステムの導入に携わり十分な知識/スキルがある、などのベースとなっている知識をもった上で、認定試験に合格することができます。ただし、SAPソリューションアカデミーは受講するために100万円近くが必要となります。個人負担で受講できる方はまれで、多くが会社負担で受講しているはずです。