東芝は13日、ブルーレイディスクレコーダー2機種と、VTR一体型ブルーレイディスクレコーダー1機種、ブルーレイディスクプレーヤー1機種 ブルーレイディスクプレーヤー内蔵型のテレビ2機種を発表した。

東芝のブルーレイ参入第1弾

ご存じのように、同社は、かつて次世代光ディスクにおいては、HD DVDを推進していたが、2008年2月に、その終息を宣言し、メディア供給以外の事業から撤退していた。その後、同社からリリースされていたデジタルハイビジョンレコーダーは、H.264圧縮や高精細技術「XDE」など、先端の技術を搭載してはいたが、光学メディアには従来のDVDを採用したものとなっていた。

同社は、2009年8月にBDA(ブルーレイディスクアソシエーション)への加入申請を行っており、同11月には、BDドライブを搭載したノートPC「Qosmio G60」を発売しているが、A&V機器へのブルーレイの採用は、これが初となる。

同社で調査した結果によると、テレビとレコーダーを同時に購入するというケースが増えており、昨年全体では約41%、年末には一時的に約5割に達したという。また、その際に選ばれるレコーダーも、従来のDVDタイプからブルーレイタイプへとシフトしており、現在ではブルーレイタイプが選ばれる率は、DVDタイプの1.5倍になっているとのことだ。同社の薄型テレビREGZAは、市場できわめて好調だ。しかし、REGZAと同時に購入するブルーレイレコーダーが存在しないということが、同社にとって問題になっており、量販店からも、かなり要望が上がっていたとのことだ。また、現在、薄型テレビやレコーダーには、リンク機能が搭載されているのが当然となっている。電源の連動など、基本的な機能のみならばある程度の互換性はあるが、機能をフルに利用するためには、同じメーカーの製品でそろえたほうが望ましいという点も、今回の商品化に繋がったポイントの一つとなっている。いずれにせよ、今回発表されたレコーダー3機種は、REGZAと同時購入するブルーレイレコーダーを自社の製品で、という狙いが大きい製品だ。

東芝初のブルーレイレコーダーは機能を抑えたエントリーモデル

D-B1005Kは、1TBのHDDを内蔵したモデルで、D-B305Kは、320GBのHDDを内蔵したモデル。ともにデジタルダブルチューナーを搭載しており、2番組同時録画が可能だ。デジタル放送をMPEG-4 AVCに変換して、フルハイビジョンで約5.5倍の長時間録画を行うことも可能となっている。また、普通のDVDにフルハイビジョンで長時間記録を行うAVCRECや、デジタルビデオカメラのAVCHDにも対応している。

ただし、従来より同社のレコーダーが採用していたHD RECでの記録は不可能で、HD RECで記録されたDVDの再生も行うことができない。また、Deep Color、x.v.Color、1080/24p出力などには対応しているが、高精細技術のXDEは採用されておらず、外付けのUSBハードディスクや、ネットワーク経由のダビングなどにも対応していない。同社によると、今回発表されたブルーレイディスクレコーダは、VARDIAの名前は冠しているが、従来のRDシリーズ→VARDIAのような高機能/高画質をねらったものではなく、エントリーユーザー向けのモデルということで、基本機能に絞った設計となっている。

なお、従来のRD→VARDIAの路線の製品は、現在、検討はされているが、発売や発売時期などについては、現時点では未定。また、現在のDVDタイプのレコーダは今後も並売されるということで、つまり、同社のラインナップでは、フラッグシップモデルはDVDレコーダーで、ブルーレイレコーダーはエントリークラスしか存在しないという、状態がしばらく続くことになる。

VTR内蔵型のD-BW1005Kは、D-B1005KにVHSを搭載したモデルで、VHS一体型としては現時点で最大のHDD容量を持つモデルということになる。ブルーレイディスクプレーヤーのSD-BD1Kは、DeepColor、1080/24pに対応する低価格な製品。こちらもAVCRECやAVCHDディスクの再生に対応している。

RシリーズのREGZAにブルーレイプレーヤーを組み込んだ一体型テレビ

ブルーレイディスクプレーヤー一体型テレビの「R1BDP」シリーズは、32V型の32R1VDPと26型の26R1BDPがラインナップされる。現在、地上デジタル放送に対応したテレビへの置き換えが急速に進行しているが、おもに置き換えられているのは、リビングに置かれているテレビで、そのほかの子供部屋や寝室などに置かれているパーソナル向けのテレビは、従来のものがそのまま使われているというケースが少なくない。今回発表された、2モデルは、いずれもそういったパーソナル需要を見据えたモデル。3波対応のテレビに、ブルーレイディスクプレーヤーを組み込んだ製品だ。テレビ部分は既存のRシリーズをベースとしているため、USB HDDを接続するだけで、番組の録画が可能となる。USB HDDは、8台まで登録可能で、市販のUSBハブを使用することで、4台まで同時に接続することが可能だ。また、デジタルダブルチューナーを搭載しているため、裏番組の録画にも対応する。

画面は、1366×768画素のハイビジョン対応で、REGZAシリーズの特徴となっている、長解像度技術「レゾリューションプラス2」や、環境やシーンに応じた画室調整を自動的に行う「おまかせドンピシャ高画質」なども採用されている。

ブルーレイレコーダーは機能を絞ったエントーりー向けの製品となるが、「D-B1005K」では1TBのHDDを内蔵する

ブルーレイディスクプレーヤー「SD-BD1K」(右)とD-B1005KにVHSをプラスしたD-BW1005K

ブルーレイディスクプレーヤー一体型テレビの「R1BDP」シリーズ。ベースになっているRシリーズの性能をそのまま受け継ぐため、USB HDDへの番組録画も可能など、パーソナル向けテレビとしては高性能

種類 型名 発売日 推定小売価格
ブルーレイディスクレコーダー D-B1005K 2月中旬 13万円前後
D-B305K 10万円前後
VTR一体型ブルーレイディスクレコーダー D-BW1005K 14万円前後
ブルーレイディスクプレーヤー SD-BD1K 2万5000円前後
ブルーレイディスクプレーヤー搭載液晶テレビ 32R1BDP 13万円前後
26R1BDP 11万円前後