レビュー前編ではFMV-DESKPOWER F/E90Nの外観を中心に紹介したが、実際に使ってみると23型ワイド液晶はかなり大きい。従来の一体型デスクトップPCのように、ディスプレイ直前にキーボードやマウスを置き、さらにその前に座ってみると一段とインパクトがある。
採用されているタッチパネルは光学式であるため、指先に限らずタッチペンでの操作も行え、よりピンポイントな操作や描画が可能だ。ただし筆圧は検知されないため、精緻な絵を描きたいというユーザーには物足りないかもしれない。最大同時関知点数は2で、2点間が極端に近いと1点として認識される。具体的には、指を完全に揃えた形でタッチすると、2本の指の間に線が描画された。手が小さなお子さんのお絵かきなどに使う場合は、両手でマルチタッチ代わりの操作をさせるなど、一工夫すると良いだろう。また、かすかに浮いた状態の指も検知するので、使う時にはしっかり1本指をたてての利用をオススメしたい。
タッチメインで操作する時、まっすぐディスプレイを立てたままだと意外に疲れる。慣れないうちは指と手首に力が入りすぎてしまうせいだ。これを緩和してくれるのが、約30度のチルト機能だ。最大角度で上向きにすると、かなり自然な姿勢で画面にタッチできるようになる。
タッチでの文字入力に関しては、富士通の独自ソフト「タッチ文字入力」が非常に使いやすい。Wiondows付属の文字入力機能はキーパッドも手書き入力欄も小さく、爪先で慎重に使う必要があるが、富士通の独自ソフトの場合は大きな入力欄にどんどん書き込める。さらにATOKの予測変換機能が組み合わさっているおかげで、数文字入力すれば変換候補が選べる上に、頻繁に入力する文章はメニューから選ぶだけで書き込めるようになる。入力欄の表示方法も、文字入力ができる画面でタッチするとタッチポイント近くにWindowsの入力バーを呼び出すボタンと[あ]と書かれたボタンが表示される。この[あ]ボタンをタッチすると、大きな入力ウィンドウが表示されるという仕掛けで、とても簡単だ。入力方法も手書きの他に、ひらがなやカタカナなどのパッドを表示して入力する方法もある。タッチでの文字入力を快適にしようという心意気が強く感じられるのが好感触だ。