既報の通り、AMDのRick Bergman氏(Senior Vice President and General Manager, AMD)は今週中のHemlockの市場投入を予告したが(Photo01)、その予告どおりATI Radeon HD 5970として製品がリリースされた。ということで、早速レポートをお届けしたい。

Photo01: 2009 Financial Analyst Dayの席上でHemlockことRadeon HD 5970を披露するRick Bergman氏。

遂に300mm突破の長大なサイズ(Photo02)

Photo02: 本邦初公開(?)のスタッフ1号の兄と並べてみた図。恐ろしく長い。

まず一見して気がつくのが、これまで見た中でもカードが一番長いこと。斜めのアングルで見ても(Photo03,04)、その長さが判る。実際、実測値では310mmものカード長となっており、重量も遂に1Kgを超え、1203gに達する。PCI ExpressのCEM(Card Electrical & Mechanical)Specificationによれば、I/O Retensionを取り付けないタイプの最大長は312mm、2slotタイプのカードの最大重量は1.5Kgと規定されているから、もうこれ以上大きく出来ないギリギリといったところ。

Photo03: バックパネルの配置はやや変更になった。詳しくは後述。

Photo04: このインテーク型の意匠をやめればもう5mm位カードの長さは詰められそうだが。補助電源コネクタはRadeon HD 5870同様カード上側に。

Photo05はAMDが公表したカードの写真を重ねてみたものだが、大雑把に言ってM/Bのサイズをはみ出さないぎりぎりがRadeon HD 5850で、Radeon HD 5870は結構奥にはみ出す格好だったが、Radeon HD 5970は更に3cm近く奥行きがある。Radeon HD 5870にも増して、ケースを選ぶ製品である。

Photo05: 4枚のカードを同一縮尺になるように変形して重ね合わせてみた。ファンの位置が上下方向に微妙にずれているのがちょっと面白い。

表側はファンの吸気口以外何も無いシンプルな造形だが(Photo06)、裏面はヒートスプレッダのリテンションがはっきりわかる構造になっている(Photo07)

Photo06: ここまで長いと、一見Radeon HD 5870と見分けがつかない。ただし手に持ったときの重さは明確に異なる。

Photo07: リテンションの配置から、GPUの位置関係も想像できる。ちなみにうまく逃げがとってあるため、底面はフラットになっている。

バックパネルの構造は大きく変更された(Photo08)。中央に位置するのがMini DisplayPortのコネクタとなる。一方反対側は、相変わらずのダミーの吸気口である(Photo09)。上面はRadeon HD 5850にちょっと似た意匠になっている(Photo10)。CrossFireXのコネクタは1つだけになっているが、内部で2つのGPUの接続用に一つ使っているから、これは当然だろう。底面は相変わらずがっちりカバーされている(Photo11)。

Photo08: ちなみに評価機にはDisplayPortとMini DisplayPortのアダプタが付属していなかったため、このポートの評価は不可能。

Photo09: Radeon HD 5870では(今から思えば内部の隙間か何かを通して)ほのかに暖かい風が吹き出してきていたが、今回は発熱量の増加に対応して構造ががっちりしたためか、温風もまったく出てこなくなった。

Photo10: スリットも全くダミー。

Photo11: なんかS/Nのラベルやら各種の注意書きやらが全部底面に移動して来た。