10月15日、IntelのJustin Rattner氏(Photo01)が来日し、都内のホテルで"The Next 10 Years... Four Predictions for out Future"と題した記者発表会を行った。この内容をお届けしたい。
今回の記者発表会は、今年のIDFにおける同氏の基調講演を補足というか、基調講演で紹介しなかった内容を紹介するような内容となった。今年のIDFにおける同氏の講演は(レポートにもあるように)TVを中心とした将来像に対してIntelから提供できるソリューションを示すというものだったが、15日の内容はTVから外れ、もう少し普遍的な内容だった。内容は大きく4つに別れ、それぞれ、
1. Near-threshold ICs will enable a new class of smart, ultra-low power device
2. Interconnect solutions based on low-cost silicon photonics will be ubiquitous
3. Software-based rendering will take us back to the future of visual computing
4. Virtual memory technology will allow different types of IA core to efficient share memory
と要約された。
Near-threshold ICs will enable a new class of smart, ultra-low power device(Photo02)
この話は、Intelが今年のISSCCで発表した内容である(Photo03)。ロジック回路への供給電圧を、トランジスタのスレッショルド電圧ぎりぎりまで下げる(Rattner氏は0.3Vと言っていたが、ISSCCの発表では0.23Vまで下げた事が示されている)事で、より消費電力を下げる事が出来る、というものだ。「もちろんこの状態でGHzオーダーの動作は不可能で、100MHzオーダーとなる」(Rattner氏)としているが、MIDやあるいはもっと小型のデバイスでは高速な動作は必ずしも必要がなく、こうしたマーケット向けにこの技術を使ったデバイスを投入することで、より低消費電力のデバイスを実現できる、という話であった。