互換性という点では、MIDからフルサイズの高性能ノートPCまで、同じIAプロセッサで同じ命令セットを使うため、同じオペレーティングシステムが使えることを指摘。たとえ小さな機器であっても、通常のPCと同じようにWebページを閲覧できることが重要であるとした。このときに、Intelが想定しているオペレーティングシステムは、WindowsとMoblinだ。Moblinは、Atomプロセッサに最適化されたLinuxベースのシステムで、インテルがMIDの標準OSとして想定しているもの。

接続性については、1台のラップトップが行う通信量は、15台のスマートフォンに等しく、それは、さらに450台の音声のみの携帯電話に等しいことを指摘、高速な通信ネットワークが必要だと訴えた。その1つがWiMAXであり、Intelは、来年までにWi-Fi/WiMAXを統合したKilmer Peak、さらにBluetoothとGPSを統合したEvancs Peak、2011年には、さらに統合を進めた通信モジュールを出荷するというロードマップを示した。

通信モジュールのロードマップ。Wi-FiとWiMAXを統合したKilmer Peakが2010年に登場し、MIDなどは、さらにBluetoothとGPSを統合したEvans Peakが予定されている。その後2011年には、さらに統合を進めたモジュールが登場する予定

今回のIDFは、CPU関係では、大きなアーキテクチャ変更よりも、プロセスが一段階進歩する時期であるため、これまでに聞いてきた話が大半を占め、技術的な面では、大きなニュースはなかった。しかし、MIDや携帯電話分野へのインテルアーキテクチャの進出を計画している。そして、そのやり方は、これまでのようにPCでのスタイルを押し付けるのではなく、それぞれの業界や市場が受け入れやすいものを提供するという形にかわってきた。Moorestownについても、オープンソースプロジェクトであるMoblinを標準的なオペレーティングシステムと位置付けることで、Microsoftの進出を好まない通信事業者などに配慮した形だ。

また、ネットブックの普及により、モバイルPCのカテゴリ分けは、Perlmutter氏の講演にあるように「NetBook」、「Ultra-Thin」、「Performance」の3つに収束しそうだ。それぞれをAtom、CULV Core2、Core i7 Mobileが担当するという切り分けだ。

Atom系プロセッサのロードマップ。プロセスは2年周期で小さくなっていくため、2年間は同じマイクロアーキテクチャを使うことになる。MenlowとMoorstownは、同じBonnellコアを使い、その次にくるMedfieldで、コアがsaltwellになる。この間、必要な周辺回路を統合しつつ、フットプリントを小さくし、消費電力も小さくしていく