18日と19日の2日間、東京ビッグサイトにて開催されている「ケーブルテレビショー2009」に各種通信ケーブル・電線や関連製品などの製造を行うフジクラが出展。地域WiMAXを中心としたソリューションの紹介や同社が提携する海外企業などの通信端末や基地局などの展示を行った。

イベント会場のハードウェアゾーンにブースを構えるフジクラ

WiMAXソリューションのコーナーには常に人だかりができ、関心の高さをうかがわせた

地域WiMAXとは、WiMAX技術を利用した無線ソリューションで、自治体が管理する防災・災害情報伝達システムや公共インフラ、CATVのような地域型放送システムの全体もしくは末端をWiMAXによって置き換えるというもの。これまでの有線方式によるシステム構築と比較した場合、地域の人々に情報を伝達しやすくなるほか、広く深い通信ネットワークを安価に構築可能になるといったメリットがあるという。

地域WiMAXソリューションとして、映像をリアルタイムに配信する「モバイルCCTV」やIP告知放送システムを紹介。モバイルCCTVの活用例としては、道路や気象情報の監視システムのほか、河川や山林の監視、公共の場や施設内の防犯システムなどがある。

同社はIP告知放送システムを地域WiMAXの重要なサービスとして位置付けている

WiMAX技術を活用したカメラ付きヘルメット「Uメット」。現在はモックの段階だが、すでにPHS回線などで実用化されている。展示されていたモックは、端末がCFカードタイプである為に他の通信方式でも応用が利くという

このほか海外の提携企業の通信端末として、屋内用アンテナやターミナル、USBドングル、スマートフォン、バッテリーを内蔵したポータブルWiMAX Wi-Fiルータなどの実機やモックが展示されていた。WiMAXのサブセット規格である「WiBro」が韓国で採用されていることから、端末の多くは韓国製となっていた。

さまざまなWiMAX機器。ポータブルWiMAX Wi-Fiルータは、2時間の充電で4時間使用できるようになるという

端末だけでなく、屋内用アンテナやレピーターなども普及させることでWiMAX網の穴をなくしたいと説明員は語る

中国のHuawei製の屋外用基地局「4T4R」も展示されていた。これまでに、アンテナユニットを2基装備したタイプが実用化されているが、4T4Rはユニット数が倍増され、スループットや通信安定性が向上しているという。

屋外用基地局は比較的小型でビジネス用アタッシュケース程度

ブースではアンテナユニットを2基装備した従来型が実機運用されていた

(あるかでぃあ/K-MAX)