日本HPが2月に発表、3月に発売した「HP Mini 2140 Notebook PC」は、それまでの同社のミニノートPC製品のなかでも、もっともオーソドックスといえるものだった。しかし、4月に投入された上位モデルは、高解像度液晶やSSDモデルを追加。Netbookを超えるスペックを持った製品となった。
主な仕様 [CPU] Intel Atom N270(1.60GHz) [メモリ] 2GB [SSD] 80GB [ディスプレイ] 10.1型ワイド(1,366×768ドット) [サイズ/重量] W261×D166×H27.2~35.5mm/約1.18kg [OS] Windows XP Professional [直販価格] 79,800円
Netbookでは得られない高解像度液晶
今回投入された新モデルは、「HP Mini 2140 Notebook PC」(以下、HP Mini 2140)のバリエーションモデルで、HP Directplusでのみ取り扱われ、原則として法人を対象している。160GB HDDを搭載する「10H/160/ダウングレードOSモデル」と、80GB SSDを搭載する「10H/80S/ダウングレードOSモデル」が新モデルだ。80GB SSDモデルの投入と、液晶解像度が1,366×768ドットである点が大きなポイントとなる。
ちなみに、このモデルを見たときに、"ダウングレードOS"という表現を気に留める方をおられよう。実は、今回の新モデルは、Windows Vista BusinessからWindows XP Professional SP2へダウングレードした状態で提供されるのである。これは、液晶解像度がULCPCの条件を上回るためライセンスを受けることができないためだ。そのぶんコスト増は避けられないはずだが、価格は100,000円を切っており、ユーザーへの影響は最小限に抑えられている。
最近ではこうした、Netbook仕様ではないアンダー100,000円のモバイルノート、というのが新しいトレンドになっており、ASUSTeK、MSI、Acerといった台湾メーカーを中心に相継いで発表、発売されている。日本HPでも、Yukonプラットフォームを採用した「HP Pavilion Notebook PC dv2」あたりは、このジャンルの製品といっていい。
Netbook仕様では自身のユーセージに対して頼りないと思っている人や、100,000円という一つの区切りのなかでよりよいモバイルノートを入手したい人にとって大きな魅力になっているようだ。本モデルも、外観こそNetbookそのものだが、そうしたNetbookよりも一つ上のクラスに加わる製品といえる。また、同じWindows XPでもProfessional版がプリインストールされる点は、ビジネスユースには大きな意味を持つのではないだろうか。