ブランドカラーを大切にしたシリーズ展開

OCEANUSは、海をイメージしたブルーをブランドのカラーとしているが、単にカタログや広告でその色を用いるだけでなく、限定モデルなどを除くほとんどのモデルで製品自体のどこかにブルーを採り入れている。

OCW-S1200では、ブランドロゴと秒針にブルーが用いられており、これはOCEANUSとしては比較的スタンダードな色づかいだ。近年、"ブルー"はウオッチ業界においてひとつのトレンドとして扱われているが、OCEANUSではブランドイメージを強く打ち出すため、初期のモデルからブルーを採り入れているという。モデルによっては、時字やベゼルなどにこのブルーを用いていることもある。

ロゴと秒針に採り入れられた「OCEANUSブルー」

ただし、同じブルーでも、例えば白い文字板の上に用いた場合と、黒い文字板の上に載せた場合とでは、違った色に見えることがある。どのモデルのブルーを見ても同じ「OCEANUSブルー」として見えるよう、人の知覚に合わせて微妙に異なる色を使っているという。

また、昨年秋に発表された「タフムーブメント」を搭載するモデルからは、針や文字板の蓄光塗料もブルーに光るものを採用している。それまで蓄光の色はグリーンだったが、これは十分な輝度を確保するための選択だった。今回、新たに高輝度のブルー蓄光塗料を開発したことで、従来同等の輝度と、ブランドカラーへのこだわりを両立することができたという。

新開発塗料の採用で、明かりが消えたところでもOCEANUSのブランドカラーを表現できるようになった

ケースの形でもユニークさを出したい

他とは異なるブランドコンセプトの製品であることを示すため、色だけでなくケース自体のデザインでも、目に入ったときに独特の印象を与えられるように心がけているという。「G-SHOCKに代表されるように、カシオは形の面白さで育ってきたブランドもありますので、OCEANUSでもケースの形にはこだわりを持っています。あえて強調はしていませんが、曲面の使い方などを工夫して、伝統的なクロノグラフとはちょっと違うイメージを感じていただけるデザインにしています」(同)。

単に高級スポーツウオッチということであれば、舶来ブランドの製品にも多数存在する。しかし、その中に最新の機能を満載するとなると、エレクトロニクス技術に長けたカシオでないとできない製品となる。スリムでエレガントなスタイルを保ちつつ、デザインにおいてもこのような先進性・独自性を表現したのが、OCEANUSの特徴だと言えるだろう。

インタビュー撮影:西部純一

製品撮影:中村浩二