主な仕様  [CPU] Intel Atom Z520(1.33GHz)  [チップセット] Intel US15WW  [メモリ] 2GB  [HDD] 60GB  [ディスプレイ] 8型ワイド(1,600×768ドット)  [サイズ/重量] 約W245×D120×H19.8mm/約634g  [OS] Windows Vista Home Basic  [直販価格] 99,800円

ソニーから、封筒サイズの超小型ノート「VAIO type P」が登場した。ウルトラワイドな液晶ディスプレイや打ちやすいキーボード、ワンセグなど、これまでのミニノートとは一線を画する個性的な機能を数多く搭載しており、一度触ったら手ばなせないほど使い勝手がよいのが特徴。ここでは、その魅力を紹介していこう。

洗練されたスリムボディに高機能を凝縮

昨今のNetbook(ネットブック)人気もあって、常時携帯できるミニノートのバリエーションは増えてきているが、人前で使っていてサマになるマシンは実はまだあまり多くない。また、機種によってはキーボードの大きさやバッテリーの保ちなどに課題を残すものもあり、トータルバランスのすぐれたノートは意外に少ないのが現状だ。

ソニーから新しく発売された「VAIO type P」は、そうしたミニノートの弱点をことごとく潰してきた「究極」の製品。広くて高精細な液晶画面に打ちやすいキーボード、持ち運びやすいスリムな筐体、600g前後の超軽量ボディ、ワンセグやWebカメラなどの便利な機能……。粗を探そうとしても見つけ出すのが困難なくらい魅力的なスペックが並ぶ。もちろん、デザインはVAIOの名に恥じない完成度。ボディの質感も高く、この価格帯のノートにありがちなチープさはみじんも感じられない。

本体幅は245mm程度と一般的なミニノート並だが、奥行きはわずか120mm。そのため、スペック表から想像する以上に小さく感じる

本体左側面には、USB2.0ポートとヘッドホン端子が搭載されている

基本性能も充実している。搭載するCPUはインテルのAtom Z520で、メモリは2GBを標準装備。Windows Vistaも比較的スムーズに動作する。ストレージは60GBのHDDを搭載。直販サイト「ソニースタイル」のCTO「VAIOオーナーメード」を利用すれば、さらに高速なCPUやSSDをチョイスすることも可能だ。ちなみに、Atom Z520(1.33GHz)を搭載した店頭モデルのベンチマーク結果は、下表の通り。さすがにCore 2 Duoクラスと比べると力不足は否めないが、Atom搭載ノートとしてはごく標準的な数値。利用シーンを考えると必要十分な性能である。

本体右側面には、USB2.0ポートと外部ディスプレイ/LANアダプタ用の端子が搭載されている

本体前面には、SD/MMCメモリーカードスロットと、メモリースティックDuoスロットが搭載されている

■3DMark06
3DMarks 88
■PCMark05のベンチマーク結果
  PCMarks CPU メモリ グラフィック HDD
VAIO type P VGN-P70H 837 1036 1902 229 2497

小型軽量と使い勝手が両立

ノートPCの場合、通常は本体の小型化を進めれば進めるほどディスプレイやキーボードのサイズが小さくなり、使い勝手も悪くなる。しかし、本機の場合は変則的なアスペクト比の液晶を採用することで小型化と使いやすさを両立しているのが特徴だ。

液晶ディスプレイのサイズは8型ウルトラワイドで、解像度は1,600×768ドットとなっている。大型ノートでも横方向の解像度が1,600を超えるものはほとんどないことを考えると、このスペックは驚異的。これだけ高精細だと文字の視認性が心配になるが、液晶パネルの表示品位が高いこともあってか、意外なくらい見やすい。

液晶ディスプレイは、8型ウルトラワイドUWXGA(1,600×768ドット)という変則的な解像度のものを採用している

キーボードはノートPCと同等のキーピッチ約16.5mmを実現。キー配列も標準的で入力しやすい。スティックポインターはホームポジションを崩さずにポインタを操作できて便利

個人的にうれしかったのが、縦の解像度が768ドットある点。一般的なNetbookで採用されている1,024×600ドットのディスプレイだと、アプリケーションによってはダイアログが見づらいことがあるからだ。また、横の解像度が高いのも実際に使ってみると意外に便利。というのも、メールや文書作成時にウインドウを並べて配置できるため。特に、Webなどで調べものをしながら文章を書く際に、その便利さを実感する。

横に長いディスプレイを採用したことで、キーボードのスペースにも余裕が生まれている。そのためコンパクトなボディながら一般的なノートPCと同等のキーピッチ約16.5mmを実現しており、長文入力も快適だ。なお、キーボード前端部には、表示しているウインドウを一発で整列できる「ウインドウ整列ボタン」と、電源オフでもすぐに独自OSを起動できる「XMB(クロスメディアバー)ボタン」が搭載されている。XMBボタンを押すと、PSPなどでおなじみのクロスメディアバーを使って、Webやデジタルコンテンツ、チャットなどを直感的に楽しむことができる。

キーボード前端部には、ウインドウ整列ボタン(左)と「XMB(クロスメディアバー)ボタン(右)が搭載されている

XMBボタンを押すと、おなじみのクロスメディアバーを使ってPC内のデジタルコンテンツやWebサイトなどにアクセスできる