ダウンロード後のウイルススキャンを無効にする

Mozilla Firefox 3(以下、Firefox)には、ファイルをダウンロードする際にウイルススキャンをおこなう機能が備わっています。Windows XP/Vistaのセキュリティセンターに対応するウイルス対策ソフトが事前に導入されている場合、ファイルのダウンロードが完了すると自動的にウイルススキャンをおこなうというもの。通常はバックグラウンドで自動的に行なわれるため、意識される方は多くないでしょう(図1~3)。

注意:本稿ではFirefoxのチューニングを行っておりますが、チューニングは使用者の責任において行ってください。

図1 ダウンロード後のアクションは、[プログラムで開く][ファイルを保存する]のどちらを選んでも、ウイルススキャンが行なわれます

図2 ダウンロード後は自動的にウイルススキャンが行なわれます

図3 自動チェックをおこなうには、セキュリティセンターに対応するウイルス対策ソフトが必要となります

しかし、確実に安全と言えるサーバーから巨大なファイルをダウンロードする場合、ウイルスチェックをおこなうだけのオーバーヘッドが発生し、大きなタイムロスとなります。また、一部のウイルス対策ソフトを使用している場合、ダウンロード後にウイルスチェックは行なわれますが、ファイルが移動しないトラブルが発生するという報告も。そこでダウンロード時のウイルススキャンを無効にしてみます(セキュリティ対策に自信のない方は行わないでください )。

同設定は「browser.download.manager.scanWhenDone」で制御されており、同設定値を初期値の「true」から「false」に変更することで、ウイルスチェックが無効になります。マシンパワーの乏しい環境でFirefoxをお使いの場合にオススメです。また、Windows XP/Vistaの場合、ZoneIdと呼ばれるセキュリティ情報にも影響を及ぼします。「browser.download.manager.scanWhenDone」の設定値が「true」の場合はセキュリティ情報が付加され、「false」の場合は取り除かれます(図4)。

図4 画面は「browser.download.manager.scanWhenDone」の設定値が「true」

画面は設定値が「false」の状態でダウンロードしたファイルのプロパティダイアログ。セキュリティ情報の状態が異なります

ダウンロード済みファイルを「最近使った項目」に追加しない

続いてダウンロードマネージャに関連するチューニングを紹介しましょう。Firefoxでファイルをダウンロードしますと、「最近使った項目」(Windows XPの場合は「最近使ったファイル」)にファイルのショートカットアイコンが登録されるのをご存じでしょうか。Windows OSに慣れ親しんだユーザーの場合、あらかじめ同機能を無効にしている方も多いため、見落としがちな機能です。

ちなみに「最近使った項目(ファイル)」を表示させるには、Windows Vistaの場合、「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」ダイアログの[[スタート]メニュー]タブにある、[最近開いたファイルの一覧を保管し表示する]にチェックを入れることで表示されます。Windows XPの場合は、同プロパティダイアログの[カスタマイズ]ボタンをクリックし、表示されたダイアログの[詳細設定]タブにある[最近開いたドキュメントを一覧表示する]にチェックを入れることで表示されます(図5~6)。

図5 Windows Vistaで「最近使った項目」を表示するには、[最近開いたファイルの一覧を保管し表示する]にチェックを入れます

図6 Windows XPで「最近使ったファイル」を表示するには、[最近開いたドキュメントを一覧表示する]にチェックを入れます

この設定は「browser.download.manager.addToRecentDocs」で制御されており、同設定値を初期値の「true」から「false」に変更することで、「最近使った項目(ファイル)」にダウンロードしたファイルが登録されなくなります。そもそもスタートメニューにある「最近使った項目(ファイル)」を参照しない場合や非表示にしている方は、無効にしておきましょう(図7~8)。

図7 初期状態ではFirefoxでダウンロードしたファイルが「最近使った項目(ファイル)」に追加されます

図8 「browser.download.manager.addToRecentDocs」の設定値を「false」にすると登録されません

ダウンロード完了時のポップアップを無効にする

最後にダウンロード完了時に表示されるポップアップメッセージを無効にするチューニングを紹介します。初期状態では、すべてのダウンロードが完了しますと、デスクトップ右下に完了をしめすポップアップメッセージが表示されます。最近のインターネット環境は多くのユーザーがブロードバンド環境を用いているため、ダウンロード時間を意識する必要がなく、わざわざ通知を確認する必要も少ないでしょう。

同機能は「browser.download.manager.showAlertOnComplete」で制御されており、同設定値を初期値の「true」から「false」に変更することで、ダウンロード完了を通知するポップアップメッセージが非表示になります。同メッセージに煩雑な印象を覚える方は、設定を変更しておきましょう(図9)。

図9 「browser.download.manager.showAlertOnComplete」の設定値を「false」にすることで、ダウンロード完了を通知するポップアップメッセージが無効になります

Firefoxのカスタマイズ方法に関しては、過去に掲載した「Firefoxチューニング - Firefoxのカスタマイズ方法」をご参照ください。

阿久津良和(Cactus)