日本人にとって、携帯電話はもはや必需品になったと言っても過言ではない。携帯電話を知らない人もまずいないだろう。だが、携帯電話において重要な役割を果たす「SIMカード」は、あまり知られていないように思える。そこで今回、SIMカードの持つ役割と活用法について、詳しく紹介する。

現代の携帯電話では必須のSIMカード。左からNTTドコモのFOMAカード(UIM)、ソフトバンクのUSIMカード、イー・モバイルのUSIMカード(音声契約用)、同じくイー・モバイルのUSIMカード(データ契約用)。写真右はau ICカード

そもそも「SIMカード」とは何?

SIMカードの"SIM"は、"Subscriber Identity Module"の略である。日本語に訳すと、「契約者特定モジュール」といった感じになる。要するに、携帯電話回線の契約情報を書き込んであるICチップがSIMカードなのである。

SIMカードには、1枚1枚に書き換え不能な固有番号が記録されている。この固有番号とカードに書き込まれた携帯電話番号がキャリアのネットワーク上で一致していることが確認されると、初めて携帯電話として通信を行えるようになる。それが確認できないと、当然、利用できない。

SIMカードは、日本や韓国を除く世界中で普及している第2世代携帯電話(2G)規格であるGSM方式で初めて採用された。また、第3世代携帯電話(3G)規格であるW-CDMA方式でもSIMカードに対して上位互換性を持ったUIM(User Identity Module)カード、またはUSIM(Universal SIM)カードとして採用されている。この記事では、特に断りの無い限り、UIMカード、USIMカードも”SIMカード”と呼ぶ。

携帯電話端末のSIMカードスロット。写真は、ドコモのF-01A/auのW51H/ソフトバンクの930SC/イー・モバイルのD02HWのSIMカードスロット。SIMの脱着方法は端末によりさまざまなので、お使いの端末の取扱説明書を参照して欲しい