コントラストAFや顔優先ライブモード搭載

ライブビューの起動は、メニュー設定でライブビューを「ON」にし、ライブビューボタン(イージーダイレクトボタン兼用)を押せばいい。ライブビュー時のAFモードは、ミラーを一度下ろしてAFセンサーを使用する「クイックモード(位相差AF)」、コンパクトデジタルカメラと同様の「ライブモード(コントラストAF)」、さらに「顔優先ライブモード」の3種類から選択できるようになった。

ライブビューの設定画面。動画の記録設定もここで行なう

コントラストAFでは、ミラーアップせずにAF動作が行なえる。もちろんAFポイントをマルチコントローラーで任意の位置に移動できる。また、人物の顔を認識する「顔優先ライブモード」では多くの人物の顔を同時に判断する。このあたり、新機能というよりは、他メーカーのカメラに追いついたという印象だ。

さらに5D Mk2にはライブビュー時にシャッター音が抑えられる「静音撮影」機能が搭載されている。5Dはシャッター音は独特で耳についた。ステージ撮影などでは4×5用の冠布などをかぶって、カメラの音が漏れないように気を配っても、シャッター音が耳障りなケースがあった。5D Mk2では、シャッター音自体が小さくなっていることに加え、この「静音撮影」を使うことで、シャッター音を最小に抑えられる。便利な機能だ。

レンズごとのAF補正機能が追加

5D Mk2にはオートフォーカス時の基本的なズレを調整する「AFマイクロアジャストメント」機能が追加された。サービスセンターにカメラを持って行かなくても、自分で調整できるようになった。プロが仕事で使うなどシビアに使う場合には、一度キヤノンに調整をしてもらっても1年ぐらい使っていると狂ってくる場合もあるので、自分で調整できるのはありがたい機能だ。また、サードパーティ製レンズはキヤノンのサポートでは調整してもらえないが、「AFマイクロアジャストメント」を使って自分で微調整ができるのもメリットだ。

「AFマイクロアジャストメント」はカスタムファンクションから設定する。ボディ側を調整する場合は「全レンズ一律調整」、レンズごとなら「レンズごとに調整」を使用する

「レンズごとに調整」の画面。この画面ではAFを5ステップ後方に設定している

EOSシリーズ初のフルHD動画撮影

5D Mk2では、EOSシリーズ初となるフルHD画質(1920×1080ピクセル、30fps)の動画撮影機能を搭載したのも特筆すべき新機能だ。大口径レンズのボケ味を生かした撮影や超望遠の迫力ある動画撮影が可能なほか、EOS用の豊富なレンズが使用できるのが魅力といえる。また、ピクチャースタイルやレンズ周辺光量補正、オートライティングオプティマイザーなどは動画撮影時にも有効だ。音声記録は、ボディに内蔵されたマイクではモノラル音声だが、外部マイクを使用する事によりステレオ音声記録にも対応する。フルHD以外では640×480ピクセル30fpsも選択できる。

また、動画撮影中にシャッターボタンを押すことにより、フル画素を使った静止画も撮影できるが、静止画記録中には動画は約1秒間静止状態が記録される。静止画記録後はそのままで動画記録を再開できる。なお、動画の撮影時間は、最大30分、ファイルサイズで4GBが上限となる。