――キュージョンの企画はどのような経緯で立ち上がったんですか?

ラナ 代表取締役 鈴見純孝氏

鈴見 ローズオニールキューピーが、誕生してから今年で100周年を迎えるんですよ。そこで、ローズオニールインターナショナルさんと、なにか記念してやりたいな、と話をしていたんです。だから、なにか新しいものを企画してみたかった、ということがひとつ。また、それとは別のところで、Rody(ロディ)というキャラクターをグループ会社で管理しているので、ローズオニールキューピーとロディを融合した"ローズオニールキューピー×ロディ"というストラップを作ってたんです。

これが非常にマッチングして、理屈抜きで可愛いかった。もしかしたら、ほかのキャラクターとも、やってみる価値はあるのではと感じて、デザインを50キャラくらいあげてみたら、どれもこれもお互いにキャラクターの個性が活かせることがわかりました。

こちらがRody ©LEDRAPLASTIC JAMMY

こちらがローズオニールキューピー×ロディ ©LEDRAPLASTIC JAMMY ©Rose O’Neill Kewpie International

――それで商品化が決定した?

鈴見 ええ。ただ、簡単なハードルではありませんでした。それぞれのライセンサーのお考えがありますから。ローズオニールキューピーインターナショナルさんにもお話したところ「できることならやってみたいけど無理だろう」と。当初はまったく信じてもらえなかったんです。でも、やるからには50キャラくらいは出したい。モチベーションを高く持てたのは、実現できれば間違いなくヒット商品になるという確信があったからです。

――第1弾は53キャラですが、当初の企画どおりだったんですか?

鈴見 いや、デザインをあげたものすべてが、商品化した訳ではなくて、駄目だったものも当然あります。それこそ「忘れてください」とか「ありえない」とまで言われたものもありました。一年以上、交渉を続けたキャラクターもあります。逆にスムーズにOKを頂けたほうが少ないですよ。

ラナ BS営業本部 企画・ライセンス課 課長 伊藤哲則氏

伊藤 例えば"鉄腕アトム"などの手塚治虫さんのキャラクターに関していえば、パロディものの無版権のものが出まわっていました。僕らも同じ業界にいて、無版権の商品が出回るのは正直嬉しいことではありませんでした。ですから、そういうものをなくすため、これくらいのボリュームで市場に投入していくから、ということを商談で説明して、商品化の承諾を頂いたんです。

ハードルとしては手塚プロさんもかなり高かったですね。本当にハードルが高いという意味で言えば、○○○○○や○○ー○ーとか、まだ許諾を頂けていない版権元さんがいらっしゃるんで、ぜひ商品化したいんですけど(笑)。逆に手塚プロさんはその後、ほかの版権を取得するときにもご協力して頂いています。

左から、鉄腕アトム、三つ目がとおる(写楽保介)、ジャングル大帝(レオ)、ブラック・ジャック。©Rose O’Neill Kewpie International ©Tezuka Productions