インテルは9日、今年最後となる報道関係者向け定例アップデート会見を開催した。当日は代表取締役社長の吉田和正氏が登壇し、同社の活動の2008年の総括と2009年以降に向けた展望を話している。また会見内では、昨年に続き今年も、同社の「10大ニュース」が発表された。

2008年の「インテル 10大ニュース」。Core i7もAtomもSSDも今年の出来事だ

インテル 代表取締役社長 吉田和正氏

さて、2008年のインテルのキーワードは「40×45」だったのだという。まず最初の「40」は、1968年7月18日創業の米Intelが、今年で40周年の節目を迎えたことを示す。吉田氏は、その40年来、マイクロプロセッサはコンピュータの頭脳として、主にビジネスの生産性を高めるために活用されてきていたが、特にここ10年ほどの近年においては、マイクロプロセッサはより人々の生活に身近な存在へと変化していると説明する。それはゲームや映像といったエンタテインメントの分野であったり、あるいは医療の分野であったりと、マイクロプロセッサの活用のされ方が多岐にわたっていることは周知のとおりだろう。さらに吉田氏は、「今後も、今までに無かったような使われ方へと拡がりが続いて行くだろう」と将来を見通す。

最初の「40」はこれ。7月に40周年を迎えた

さらにIA(Intel Architecture)が拡大するという展望

次の「45」は、同社の45nmプロセス技術に基づいたマイクロプロセッサが、サーバから小型デバイスに至るまで、すべてのセグメントに向けて製品展開がなされたことを示すものだ。あわせて、2008年は同社の65nmと45nmのプロセッサ出荷比率が逆転し、45nm製品が主流となった年でもある。吉田氏は、「45nmを有言実行し、製品として世の中に出した。ムーアの法則は引き続き、技術革新は止まらない」と自信を覗かせる。そして、「微細化を進めたことで製品展開の幅は拡がり、例えばNetbookの様な新たなジャンルの製品も産まれた」と、技術革新こそが牽引力になるという例も挙げる。

全セグメントへの投入が完了し、65nmと45nmのクロスオーバーも果たした

モバイルはAtomの登場でさらなる伸張が期待される。WiMAXも国内サービスインも予定通りの進捗だという

インテルの社風は「新分野へのチャレンジ」であるとされる。吉田氏は「成長は待っていてはいけないのであって、成長は実現させなければならない。新しい利用形態をどんどん紹介していく」と述べる。また、「既存のモノのリプレイスではなく、新たなモノを創り出していく。そのドライバがインテルのマイクロプロセッサだ」とも言う。金融不安などの影響もあり、市場は世界的に元気が無い状態ではあるが、同氏は「テクノロジの進化はスローダウンしない」と強調する。そして会見の最後に、インテルが率先して新たなビジョンを示し、パートナーとともにさらなる発展を目指すという意気込みを語る。「我々は"あまのじゃく"なので、こういう状況でこそさらに力強くなる」。