既報の通り、インテルは18日、Nehalemの開発コードネームで知られた次世代マイクロアーキテクチャに基づくハイエンドデスクトップ向けクアッドコア・プロセッサ「Intel Core i7」を正式発表した。high-k材料/メタルゲート採用の45nmプロセスで製造されている。

ついに正式発表となった「Intel Core i7」と「Intel X58 Express」

会場に展示してあったCore i7のウェハ。ネイティブ・クアッドコアのダイが確認できる

同日、都内で開催された製品発表会では、同プロセッサの特徴、性能が詳細に紹介されたほか、パートナー各社による期待の新製品も一堂に会した。あわせて、対応チップセットである「Intel X58 Express」も発表されており、ちなみに同チップセットの1,000個ロット時の単価は5,340円とのこと。

■Core i7のラインナップと価格(1,000個ロット時の単価)
プロセッサ名 Core i7-965 Extreme Edition Core i7-940 Core i7-920
動作周波数 3.2GHz 2.93GHz 2.66GHz
コア数 4 4 4
QPI 6.4GT/sec 4.8GT/sec 4.8GT/sec
L1(Date) 32KB×4 32KB×4 32KB×4
L1(Inst) 32KB×4 32KB×4 32KB×4
L2 256KB×4 256KB×4 256KB×4
L3 共有8MB 共有8MB 共有8MB
対応メモリ DDR3-1066 DDR3-1066 DDR3-1066
TDP 130W 130W 130W
OPR × ×
価格 102,590円 57,720円 29,170円

Core i7のウェハを手にするインテル技術本部 本部長の及川芳雄氏。Core i7の新技術/特徴を解説

Core i7において、性能向上を導いたという新技術/特徴としては、「革新的なシステム帯域幅」、「先進のパワーマネジメント機能」、「Intel Turbo Boost技術」、「Intel Hyper-Threading技術」の4点が紹介された。

Core 2 Quad(左)とCore i7(右)のアーキテクチャの違い

大容量のシステム帯域幅

コアアーキテクチャが刷新され、メモリコントローラをダイに統合、大容量のメモリ帯域幅を実現している。加えて、4つのコアで共有できる8MBのL3キャシュを搭載。また、Point-to-Point型の新しいインターコネクト「QuickPath interconnect(QPI)」を備え、従来のFSBから大きく転送速度が向上した。

メモリコントローラが統合されるなど大幅な変更が行われた

先進のパワーマネジメント機能

PowerGateトランジスタの搭載で、各コア単位の電源オン/オフが可能に。外部の電圧レギュレータよりも急速な電圧変化に対応。状況に応じて各コアをC6ステートに移行することで、コア単位の消費電力を限りなくゼロに近い状態にできるという。これにより、漏れ電流を大きく下げることに成功したと説明されている。

各ステート時のコアの状態

Intel Turbo Boost技術

ワークロードが追加されると、TDPのヘッドルームに応じてコアの動作周波数が引き上げられる。使用スレッド数が少ないアプリケーションの利用中、もしくは全てのコアを使用中でも各コアのワークロードが少ない場合などで、TDPに余裕があれば各コアをオーバークロック、処理能力を動的に最適化できる。

スレッド数が少ない場合のTurbo Boostの動作

TDP余裕があれば、4コア利用時でもTurbo Boost

Intel Hyper-Threading技術

物理クアッドコアの各コアがHyper-Threadingをサポートし、8つのスレッドを同時に処理できる。コアの処理能力が高効率化を達成できたことで搭載された技術とされ、性能と電力効率の向上を実現しているという。当日行われたライブデモでは、Turbo Boostとあわせておよそ18%の処理能力向上が披露された。

左がTurbo BoostとHyper-Threadingをともに有効にしたCore i7で、右がともに無効にしたCore i7。それ以外はすべて環境を揃えてあるとのこと

その状態でコーレルのDVD MovieWriterを利用したエンコードテストを実施。この場合はTurbo BoostとHyper-Threadingの効果で約18%ほど処理速度が向上