新プラットフォームの評価は1年越しのPDCへ

基調講演はScott Guthrie氏がWindows 7向けの開発環境となる「Visual Studio 2010」と「.NET Framework 4」、David Treadwell氏がLive Servicesプラットフォームと「Live Mesh」による複数デバイス間のデータシンクロなどを説明。最後に沼本健氏が、次期オフィススイート「Office 14」にOffice Web applicationsが含まれることを明らかにした。PCとWebをまたがった情報共有やコラボレーションの強化を実現する。

Office 14の一部としてOffice Web applicationsを提供

沼本氏が映画プロデューサという設定で、インターネットカフェにいるコンサルタントとOffice Web applicationsを通じて映画の撮影場所について意見を交換するデモ

初日、2日目の基調講演を通じて、クラウドへの本格参入と"Software + Services"世代のクライアントOS提供が示されたものの、まだぼやけた状態が続いている。Azureはごく一部の開放にとどめられ、またビジネスモデルが全く見えない状態である。Windows 7は"Software + Services"の部分の強化が具体的に示されなかった。全体的にプレビューという印象が残った。

ただ実際のところ、開発者に概要を示して協力を促すための"プレビュー"が今回のPDCの目的なのかもしれない。3日目の会場に行ったら、PDC2009の開催がアナウンスされていた。PDCは中・長期的なプランを説明するという性格から2年周期が定着していたが、ほぼ1年後の2009年11月17日 - 20日に次のPDCを開催する。

クラウド参入と"Software + Services"はMicrosoftにとって大きなシフトである。今はまだビジネス寄りの話しを展開できる段階ではない。今回Ozzie氏が登場する基調講演が2日間にわたって行われたように、Microsoftが挑む新しいプラットフォームの全てを1回のPDCで示すのは難しいのだろう。最終日、最後のスライドが「来年につづく」で終わりそうなPDCである。