シャープ、プラズマクラスターイオン発生機搭載エアコン2009年度モデル発表

シャープは23日、ルームエアコン「SX」シリーズの2009年度モデルを発表した。すべてオープン価格。発売日、推定市場価格などは表の通り。

SXシリーズは、同社ルームエアコンの最上位グレードモデル。新モデルでは、昨年のSXシリーズに比べて「プラズマークラスター技術の搭載」「ノンストップ暖房」「省エネ性能のアップ」といった点で、進歩している。

まず、プラズマクラスターイオンだが、同社では、以前より除菌イオンユニットという同様にイオンを発生するユニットを採用していた。プラズマクラスターイオンは、それをさらに強力にしたもの。部屋のなかのアレル物質、ウィルス、カビ菌などの抑制や、付着臭の分解除去などを行うというものだ。

続いてノンストップ暖房だが、灯油価格の高騰などから、昨年の冬は暖房のエアコンへのシフトが進んだが、同社には、エアコンのユーザーから、寒い日に温かくなりにくいという声が多く届いたそうだ。これの大きな原因となっているのが、エアコン自体の構造によるものだ。エアコンは、室外機にも室内機にも熱交換機が搭載されており、室内と室外とで熱の移動を行う。ところが、外気温が5°C以下に下がると、室外機の熱交換機に霜が付いてしまい、熱交換が行えなくなってしまう。そのため、霜が付いた場合には、霜取り運転を行う必要がある。この際に室内機の熱交換機の温度が低下する(冷房運転と同じ)。従来は、暖房時には、通常60°C程度ある室内機の熱交換機の温度が、-27°C程度にまで低下する状態が、15分程度続いていた。2009年度のSXシリーズでは、この点を改善。霜が付き始めた段階で、暖房運転を続けながら、霜取りを行うというもので、室内機の温度は、30°C程度までしか低下しない。また、霜取り中は送風は行われないが、霜取りの時間が約7分と短縮されている。

省エネ性能のアップは、暖房運転時ならば床面近く、冷房運転時には天井を這う冷気といったように、目標とする場所に的確に暖気/冷気を送り込む気流制御技術によるものだ。昨年のSXシリーズでは、ルーバーではなく、室内機のカバーがそのまま大きな羽根となる「ロングパネル」と、気流を絞り込んで風速をアップさせる「パワー集中ガイド」という組み合わせが採用されていた。2009年度モデルもこの延長上にあり、外見上はそれほど差は見られない。しかし、パワー集中ガイドが、従来よりも15mm伸ばされており、従来は30°までだったのが、新モデルでは20°まで、細く気流を絞り込むことができるようになった。また、「左右なめらかガイド」の搭載により、部屋の中心部分よりも、壁際を、より温めることも可能となった。これにより部屋の中での温度差を減らすことができ、結果的に、細かな温度調節の必要性を減らし、省エネにつながるということらしい。さらに、リモコンには、床上の温度が設定温度に達するまでは強力に暖房を行い、その後は-2°C設定温度を下げる「おすすめエコ」運転も搭載されている。

それ以外の点は、基本的に昨年モデルのSXシリーズを踏襲しており、冷房時の風ストレスを低減する「つつみこむ気流」や、換気機能、フィルターや内部の自動クリーニング機構も搭載する。

なお、SXシリーズは、冷房能力2.8kWのAY-Y28SX以下では、室内機の幅を794mmに抑えているが、それよりも上のサイズでは、894mmとかなり大きめだ。最近では、すべての室内機の幅を800mm以下に抑えたメーカーもあるが、同社によると、室内機をコンパクト化すると、COP(Coefficient Of Performance)の低下が避けにくい問題として浮上するとのことだ。つまり、コンパクト化か、効率化かということで、同社としては高効率化の方をチョイスしたとのこと。

ルームエアコン「SX」シリーズの2009年度モデル
型名	定格冷房能力	定格暖房能力	発売日	推定小売価格
AY-Y22SX	2.2kW	2.5kW	11月15日	22万円前後
AY-Y25SX	2.5kW	2.8kW		23万円前後
AY-Y28SX	2.8kW	3.6kW	11月1日	24万円前後
AY-Y40SX	4.0kW	5.0kW		27万円前後
AY-Y50SX	5.0kW	6.3kW	11月15日	29万円前後
AY-Y63SX	6.3kW	6.7kW		32万円前後
AY-Y71SX	7.1kW	7.5kW		35万円前後