さて、昨年のレポート以来UpdateのなかったUSBについてレポートしたい。実を言えば今年のIDF ShanghaiでもUSB関連セッションがあったのだが、こちらのレポートをする機会がないまま過ぎてしまったので、このあたりでまとめて報告してみたいと思う(Photo00)。

Photo00: 1to1 Meetingのお相手を頂いた、お馴染みJeff Ravencraft氏。余談だがIDFの翌々日となる土曜日、サンフランシスコ空港のレンタカーセンターからのAir Trainで再開。なんでもそのまま日本に移動し、まず大阪でCustomer Meeting、そのあと東京に移動してやっぱりCustomer Meetingで、アメリカに帰ってくるのは来週の金曜だとか言っていた。IDF期間中喋りすぎたのか声もガラガラで、なかなか見ていて気の毒な風情であった。

USB 3.0

まずはUSB 3.0についてである。今回はSuperSpeed USBのブースをShowcaseに設け(Photo01)、実際にUSB 3.0の転送デモを実施した(Photo02)。もっとも現状ではUSB 3.0のシリコンは当然ないわけで、今回はFresco LogicがFPGAで作成したテストボード(Photo03,04)を使ってのデモとなっている。また、既にUSB 3.0仕様のケーブルの試作品(Photo05,06)なども展示された。

Photo01: SuperSpeed USBの展示ブース。LeCroyのVoyager(USB 3.0 Protocol Verification System)がさりげなく置かれているあたりがいかにもアレな感じ。

Photo02: HostとDeviceの両方をSuperSpeed USB対応にして転送した結果。理論上は500MB/secだが、現時点では400MB/sec程度で頭打ち。理由はFPGAのパフォーマンスの限界だとか。

Photo03: 上がUSB 3.0 Host。マザーボードとの上に挟まっているのはPCI ExpressのBus Adapterで、この先はPCI ExpressのProtocol Analyzerに繋がっていた。

Photo04: 後述するが、このFresco LogicのUSB 3.0 Hostの場合、USB 3.0はPIPE I/Fになっているあたりが面白い。Vertexを使うとPHYは外付けにする必要があり、なのでPIPEという事なのだろう。AlteraのArriaとか使った場合はPIPE無しで直接出せるのだろうか?

Photo05: 肝心のUSB 3.0の端子部分は奥すぎて写っていない。

Photo06: こちらは判りやすい。USB 2.0までにはないセパレータがプラグの真ん中にあるのが判る。

さてそのUSB 3.0、最初の目的はFlash Memoryなどを高速に転送するインターフェースとなること(Photo07)であり、そのための開発も進展している(Photo08)との事。特徴はPhoto09に示す通りで、ユーザーから見れば「より高速なUSB」以上の注意を払わなくて済むように配慮されているとしている。

Photo07: これはJeff Ravencraftとの1:1 meetingの際の資料より。昨年からあんまり変わってないが、しいて言えば"Optimized Power Efficienct"が前面に出てきたことが違いか?

Photo08: こちらと比べると、Specificationリリースのタイミングがちょっとだけ遅れている感じである。とはいえ、大きな違いはなさそうであるが。

Photo09: ただこのBackward Compatibleについては、USB 2.0と3.0で別の信号線を使うわけで、これは正直どうだろう?と思わなくもない。