ミラーリングとの違いは?
さて、似たような機能として、HDDディスクのミラーリング(RAID1)がある。これとStandbyDiskの違いについて見てみよう。ミラーリングは、2台のHDDを使用して、同じ内容を書き込んでいくものである。2台のHDDが同時に故障したり、障害が発生することは、極めて少なく、どちらか一方のHDDに障害が発生しても、他方のHDDがある限りデータの損失を防ぐことができる(ただし、落雷などによって、PC全体に障害が発生するような場合には当然無力となる)。
ミラーリングでは、HDDへの書き込みが発生した時点で、2台のHDDに同時に書き込みが行われる。StandbyDiskも、ある意味はこの動作に近い(新バージョンでは、ミラーリングと同じ機能も追加された)。大きく異なるのは、書き込むタイミングを任意に設定できることにある。実はこの機能が非常に便利なのである。
通常、使用しているPCなどでは、新しくアプリケーションをインストールするということは少なくないであろう。ところが、非常に大規模なアプリケーションをインストールする場合やベータ版のアプリケーションなどをインストールすると、Windowsシステムが不安定になってしまうこともある。アンインストールしても、すべてのファイルが削除されず、何かしらの設定不具合が残ってしまうこともある。また、出所は怪しいのであるが、どうしても試してみたいフリーソフトウェアなどをインストールしなければならないこともあるだろう。
システムが不安定な状態になってしまった場合には、クリーンインストールをするのが、一般的な解決策となる。しかし、この作業は非常にめんどうであり、時間もかかる。これは、ミラーリングでも防ぐことはできない。なぜなら、ミラーリングでは、すべての書き込みが同時に行われてしまい、誤った情報なども2台のHDDに書き込まれてしまうのである。ミラーリングを使用する目的の1つには、定期的なバックアップをしなくてもすむということもあるだろう。別にバックアップをとっていない場合には、クリーンインストールしか方法がなくなってしまう。
StandbyDiskを利用することで、この問題を解決できる。新しくアプリケーションをインストールする前、つまりはWindowsシステムが安定している状態で、一度、バックアップを行うのである。バックアップが終了したら、アプリケーションなどのインストールを行う。そこで、不具合が発生したら、スタンバイディスクからリストアを行うことで、インストール前の安定した状態に、システムを戻すこともできる。 PCメーカーの調査によれは、HDDのソフトウェア障害のほとんどが、ユーザー自身による誤操作などが原因とされている。特に、デバイスドライバなどのインストールで、システムが不安定化し、最終的には障害に至ってしまうとのことである。バックアップのタイミングを適切に設定することで、システムをより安定した状態で維持できるというのも、StandbyDiskの大きな魅力の1つである。
バージョン5の新機能
StandbyDiskの新機能を紹介しておこう。バージョン5では以下の機能が追加された。
- Windows Vista SP1のサポート
- Windows XP x64のサポート
- リアルタイムミラーリング機能
- ディスク間コピー
- バックアップスケジュールを分単位で設定
- バックアップの繰り返し実行間隔の設定
- スタンバイディスクの障害発生時にメール通知
- スケジュール実行でエラー発生時にメール通知
新OSへの対応は、かかせないものであるが、注目したいのは、スタンバイディスクに物理的な障害などが発生した場合のメール通知機能である。StandbyDiskを利用する目的の1つは、「どんな時でも止まってはいけないマシン」というものがある。そのようなマシンの場合、人知れず、黙々と動作している場合がほとんどである。何か不具合のあった場合などに、より迅速な対応が可能になるだろう。これらについては、具体例を後ほど解説する。
