ネットジャパンより販売されているPowerX StandbyDisk 5(以下、StandbyDiskと略記)は、HDDをもう1台利用することで、自動的にバックアップを行い、万が一にもHDDの障害が発生した場合には、リストア作業をすることなく、システムを復旧できる。2008年7月に、バージョン5が登場し、新たな機能も追加された。販売価格は、パッケージ版が10,290円、ダウンロード版が7,350円である(いずれも税込価格)。本稿ではStandbyDiskの基本的な使用方法から、新しく追加された新機能の一部を紹介する。なお、ネットジャパンでは、製品版と同機能の30日の体験版を公開している。導入をお考えの方は、試してみるのもよいであろう。
PowerX StandbyDisk 5とは
まずは、StandbyDiskの基本的な仕組みについて解説しよう。StandbyDiskは、2台のHDDで、HDDのソフトウェア障害やハードウェア障害が発生しても、すぐにシステムを復旧させることができる。図2のように、普段は、一方のHDDから起動している状態であるが、起動中に、システムを含めたバックアップを行うのである。
バックアップは、Windowsが動作した通常の状態で行われる。これは、Windowsのボリュームシャドウコピー(VSS)サービスを応用している。したがって、Windowsのシステムファイルなどもバックアップされ、起動中のHDD(アクティブディスクと呼ぶ)を完全にコピーする(Windowsを停止する必要もない)。バックアップ側のHDD(これをスタンバイディスクと呼ぶ)は、エクスプローラなどからはアクセスできない状態になっている(バックアップデータを不要な操作から守るという役目も持っている)。さて、ここで起動中のHDDになんらかの障害が発生したとしよう。ここで威力を発揮するのがStandbyDiskの特徴の1つだ。障害により起動しなくなってしまったHDDの代わりに、バックアップのHDDから起動するのである(図3)。
スタンバイディスクから起動する方法は非常に簡単である。どこでバックアップを行ったかにもよるが、少なくともバックアップ時点までの環境をそのまま再現できる。日々、自動的にバックアップを行っていれば、大きなデータの損失も少ないであろう。このようにリストア作業が、まったく不要なので、ほんの少しの時間でも止めてしまってはいけないマシンなどでは、大変ありがたい機能といえる。


