デジタルホームグループの基調講演で、同グループ担当事業本部長のEric Kim氏が"Canmore"というコードネームで開発されていたメディア機器向けSystem on Chip (SoC)「Intel Media Processor CE 3100」を発表した。また同チップ搭載機器を通じてテレビでのインターネット利用を可能にするアプリケーションプラットフォーム「Widget Channel」の開発で、Yahoo!と提携していることも明らかにした。CE 3100搭載製品の具体的な情報には触れられなかったが、基調講演ではWidget Channelのプレビューデモが披露され、さらに家電、通信、エンターテインメント、インターネットサービスなど幅広い分野からのサポート表明が紹介された。

Eric Kim上席副社長兼デジタルホーム事業本部長

「Intel Media Processor CE 3100」と「Widget Channel」で、テレビとインターネットを融合

CE 3100は、Intel初の家電専用のIA SoCになる。前日のPat Gelsinger氏の基調講演で、Intelアーキテクチャの世界を組み込み機器に拡大する「Embedded Internet」というビジョンが披露された。CE 3100は13億世帯以上も存在する大市場にIntelアーキテクチャを広げる製品になる。9月出荷を予定しており、具体的にはセットトップボックス、デジタルテレビ、DVD/ Blu-rayプレーヤーなどに搭載されることになりそうだ。

核となるのは動作クロックが800MHzのPentium M processor。2D/3D処理はOpenGL ES 1.1、Open GL ES 2.0、Open VG 1.0などの標準APIに準拠するIntel Graphics Media Accelerator 500だ。MPEG-2、H.264、VC-1などの出力をサポートし、HD品質のマルチストリームが可能なビデオ処理機能性能を備える。ピクセル単位4フィールドのモーションアダプティブなインターレース除去、9-tap、128-phase、水平/ 垂直方向スケーラなどに対応。3チャンネル 800MHz DDR2メモリコントローラ、7.1chサラウンドをサポートするデュアルオーディオDSPを装備する。

大きな特徴として「Intel Media Playテクノロジ」が挙げられる。これはオンチップのハードウエア・デコーダと、IAプロセッシングコアで動作するソフトウエア・コーデックを組み合わせて、放送/ オンライン/ ローカルストレージなど異なるメディアソースからのコンテンツをスムースに処理する機能だ。今後の動画やオーディオ形式の増加にソフトウエアで対応できるというメリットもある。

IAコアと、オーディオ/ビデオ・デコーダ、グラフィックス処理エンジン、ディスプレイ処理エンジンの組み合わせ