三菱電機は20日、調理したての熱い食品を冷まさずに入れられて、おいしく冷凍できる「熱いまま"急っと"瞬冷凍」を搭載した冷凍冷蔵庫の新製品5機種を発表した。価格はすべてオープン。

601Lの大容量モデル「MR-E60P」(右)と545LのMR-E55P

手前から庫内容量501LのMR-E50P、445LのMR-E45P、奥の2台は片開きタイプのMR-B42P

新モデルの特徴となっているのが、冷凍機能の強化。従来の冷蔵庫では、冷凍庫に熱い料理を入れると、その周りに冷凍保存されている食材の一部が解凍されて傷むといった問題があった。そのため、冷凍したい料理は、粗熱を取ってから冷凍庫に入れるといったことが一般的となっていた。新モデルでは、そのような心配をせずに、熱いままの料理を、そのまま冷凍することが可能となっている。これが、2008年度モデルの最大の特徴となっている「熱いまま"急っと"瞬冷凍」機能だ。

同社の冷凍冷蔵庫では、2008年度モデルより、食材を一気に冷却することで、冷凍しても食材の細胞を壊さない「瞬冷凍」機能を搭載していた。「熱いまま"急っと"瞬冷凍」機能は、この瞬冷凍機能をさらに発展させたものだ、

「熱いまま"急っと"瞬冷凍」機能は、新モデルの切り替え室に搭載されている。切り替え室には、同社のルームエアコン「霧ケ峰」シリーズにも採用されている温感センサー「ムーブアイ」が配置されており、温度の高い食材が入ってきたときに、それがどの部分に置かれているのかをリアルタイムに検知する。また、従来は1個だったダンパ(冷気が吹き出す部分)を2個に増やし、熱いものが入ってきたから単純にに強く冷やすというのではなく、熱いものが置かれている部分を重点的に冷やすことが可能となっている(写真参照)。同機能の目的は、冷凍までの手間を減らすことだけではない。例えば、炊き立てのごはんを、常温になるまで待ってから冷凍した場合、水分が失われたり、変色やニオイが発生するなど、本来のおいしさが失われてしまうこともある。同機能によって、冷凍を行えば、これらの問題は防ぐことが可能だという。

昨年モデルでは、冷蔵室の棚の高さを、棚の手前に設けられたレバーの操作だけで無段階に調節できる「動くん棚」機能を搭載していた。もちろん新モデルにもこの動くん棚は搭載されているが、それだけでなく、冷凍室の使い勝手を向上する新機構も採用されている。今回発表された5モデルはすべて、引き出し状の冷凍室を採用している。このような冷凍室では、食品をただ入れていくと、積み重なるようになってしまい、何が収納されているのか分かりにくくなりがちだ。そこで新搭載されたのが、可動式のセパレーター「動くんレバー」。動くんレバーは、主要7社の冷凍食品のパッケージサイズに合わせられており、それらを縦置きした場合に、ブックエンドのように機能するというものだ。

また、新モデルでは、昨年モデルと外形寸法は同一だが、庫内容量が約30L拡がっている(おもに冷凍室の容量をアップ)。これは、真空断熱による断熱材の薄型化や、野菜室の配置の変更などによるものだ。従来は、切り替え室と冷凍室の間に、野菜室が設置されていた。冷凍室と野菜室の間には温度差があるため、断熱材を厚くする必要がある。切り替え室と野菜室の間も同様だ(切り替え室は、冷凍室と、-7°Cの切れちゃう冷凍用の冷凍室と-18°Cの冷凍室とを切り替えるもので、冷蔵室にはならない)。野菜室をボトムに移し、冷凍室と切り替え室とをグループ化することで、その間の断熱材を薄くすることが可能となり、庫内容量が広がっているというわけだ。

切り替え室の内側。庫内奥に見える格子状の部分が、冷気が吹き出すダンパ。天井にある格子状の部品の奥にも同じものが設置されている。奥のダンパは奥側に近い部分を、天井のダンパは手前に近いい部分を重点的に冷却する

冷凍室の使い勝手をアップする「動くんレバー」

タイプ 型番 定格庫内容量 発売日 推定小売価格
フレンチドア MR-E60P 601L 11月1日 29万円前後
MR-E55P 545L 9月25日 27万円前後
MR-E50P 501L 25万円前後
MR-E45P 445L 11月5日 23万円前後
片開き MR-B42P 415L 11月10日 21万円前後