米NVIDIAは8月12日(現地時間)、GeForce 8シリーズ以降のGPUでPhysXテクノロジを利用可能にするWHQLドライバ、PhysX対応ゲームの体験版、テクノロジーデモなどをまとめた「GeForce Power Pack」を公開した。NVIDIAのサイト「THE FORCE WITHIN」から無償でダウンロード入手できる。

NVIDIAによると、GeForce 8シリーズ以降のグラフィックスカードは8000万枚以上が出荷されている。PhysXエンジンのCUDA対応、PhysXとCUDAをサポートするドライバのリリースによって、これらのカードのユーザーがドライバ更新だけでPhysXを利用できるようになった。これにともないPhysX対応プログラムと組み合わせた時の物理シミュレーション技術の効果を、広くGeForceユーザーに体験してもらうのがPower Pack提供の狙いだ。

現在Power Packとして配布されているのは、GeForce 8、9、GTX 200シリーズに対応するWHQL認証のGeForceグラフィックスドライバ v177.83(Windows XP/ Vista)、建物などを破壊しながら物理演算の効果を実感できるゲーム「Warmonger」、Unreal Tournament 3に物理演算を使用したマップ3つを追加する拡張MOD「Unreal Tournament 3 PhysX Mod Pack」、スタンフォード大学の分散コンピューティングネットワーク「Folding@Home」のGPU版クライアントなど。またUnreal Engine 3をベースにしたソーシャルネットワーキングサービス「Nurien」、ベンチマーク機能を備えたシューティングゲーム「Metal Knight Zero 」の体験版、NVIDIAが提供するテクノロジーデモ「The Great Kulu」「Fluid」なども用意されている。

物理演算の本領が発揮される破壊ゲーム「Warmonger」

ゲーム環境におけるPhysXソフトボディのデモ「The Great Kulu」

「"百聞は一見にしかず"とはまさにその通りだから、PhysX対応のすばらしいコンテンツ群を無料でエンドユーザーにダウンロード公開した」とGeForce GPU担当のゼネラルマネージャーであるUjesh Desai氏。PhysX対応のPCゲームタイトルとしては「Cryostasis」、「Backbreaker」、「Aliens: Colonial Marines」などが近日発売予定となっているほか、年末のホリデーシーズン前には、さらに20種類近くが発売される。なおNVIDIAは8月25日~27日の日程で、米カリフォルニア州サンノゼにおいて「NVISION 08」カンファレンスを開催する。その場でもPhysX対応コンテンツの拡大がアピールされることになりそうだ。