会場入り口に構えるウィルコムブース

22日より東京ビッグサイトにて開催されている通信関連技術の展示会「ワイヤレスジャパン2008」でウィルコムは、この夏に発売した新機種の展示と、来年のサービス開始を目指す次世代PHSの展示・公開テストを行った。

100Mbps通信も視野に入れた次世代PHS、最初はPC用カード端末から

次世代PHSについては、試験機によるデモンストレーションが行われていた。

次世代PHSによるデモンストレーション映像

通信速度は約18~20Mbpsが安定して出ている

デモンストレーションでは約18~20Mbpsの通信速度を得られていたが、周波数帯域の拡大やMIMO技術の導入によって将来的には100Mbpsを目指したいとしている。説明員によれば、次世代PHSサービスの最初の端末はPC向けのデータ通信カードになるという。

03、D4、そして9……自社名を冠した機種の発売ラッシュ

ウィルコムは6月にスマートフォンの「WILLCOM 03」、そして今月11日にPCと電話機を融合させた新しい形の通信端末「WILLCOM D4」を発売し、18日にもシンプル路線の音声端末「WILLCOM 9」を発売した。ブースでは各機種の実機が展示されている。

WILLCOM 03は、スタイリッシュなデザインと小型化したボディサイズが特徴のWindows Mobile搭載スマートフォン。これまでのWindows Mobile端末で不評だったユーザーインタフェース(UI)を独自改良し、国内の一般的な携帯電話により近い操作感を実現した。

説明員によれば、身近な携帯電話に仕様を近づけることにより、より使いやすくなじみやすい端末を目指したとという。液晶面のフルフラットデザインには、そういったメッセージも込められているようだ。

若年層やライトユーザーの取り込みを狙う

Bluetooth内蔵によりBluetoothキーボードも使用可能

WILLCOM D4は重さ約460gを実現した小型PC。OSにWindows Vistaを搭載し、ウィルコムの通信モジュール「W-SIM」を挿すことで、データ通信以外に音声通話も可能にした。

機能を限定したスマートフォンではなくフルスペックPCという仕様を選択した背景には、データ通信から音声通話まで、これ1台ですべてのモバイルシーンを完結させたいという強い位置付けがある。

D4は新たな市場を創出できるか

独自UIの「AQUATIC」。分かりやすさ・使いやすさを目指す同社の意思が感じられる

WILLCOM 9はW-SIMを利用したシンプル路線の音声通話用端末。横幅43mmの小型筐体に「ウィルコムガジェット」と呼ばれる待ち受け画面用アプリケーションを搭載。Google検索や乗り換え案内などの便利なツールを用意することで、より身近に使える電話機を目指した。

同社W-SIM対応端末「9(nine)」の事実上の後継機種

ウィルコムガジェットは待ち受け画面に同時に4つまで表示できる

このほか、ブルーシールアイスクリームとのコラボレーション機種である「HONEY BEE<ブルーシールアイスクリームモデル>」を始めとした各種端末の展示があった。

また、法人向けモバイルソリューションとして、「W-VPN」や「.Phoneユビキタス」などを展示。ビジネスユースにおける同社の定額データ通信サービスや音声通話定額サービスなどの活用法について解説していた。

(あるかでぃあ/K-MAX)