最後に、先ほど触れたTierの話である。あくまでも大雑把な分類だそうだが、Freescaleでは3G~LTE世代に関して下のスライドの様な分類を取っているようだ。このEntryからHighまでの4つのTierを、MXCですべてカバーできるというのがFreescaleの主張である。実際MXCは様々な種類が用意されているようで、High-TierにはFull Functionのものを、Entry-Tierには様々な機能を削減した最小構成のものを、といった使い分けもできそうだ。

Camera ResolutionとかVideo Processingに関しては、これは商品の性格付けもあるだろうから、必ずこうなるとは限らないわけで、あくまでも一般的にはこの程度、ということでTierを定める最大の要素はやはりData Speedであろう

というわけで、MXC+LTEという組み合わせを本命にして、さらに下位機種にもMXCを採用することで開発コストの低減を図りつつ性能を確保し、かつ商品差別化に繋がる機能を充実させるというのがFreescaleの描くシナリオであるが、問題はこれに乗る端末ベンダをどれだけ確保できるか、というあたりであろう。MXCそのものは2005年のFTFでもすでに紹介されており、にもかかわらずMXCを利用しているベンダが現状Motorolaしかない、というあたりに、端末プラットフォームの乗り換えの難しさを窺うことができる。来年のFTFで、Motorola以外の端末がどれだけ展示されるか、がちょっと見所であろう。