マイクロソフトはPC市場向けに投入しているWindows VistaやWindows XP以外にも、さまざまな分野にOSを供給している。

組み込み機器向けには、 Windows CEベースのWindows Embedded CE、Windows XP ベースのWindows XP Embeddedといった「Windows Embedded」、カーナビゲーション市場には、Windows CEベースの「Windows Automotive」、モバイル市場向けには、Windows CEベースで、携帯電話やPDA向けの専用OSとして開発された「Windows Mobile」と、大きく別けて3種類ある。

マイクロソフトはPC向け以外のOSも提供している。これはビクター(JVC)が海外で発売したWindows Automotive搭載カーナビゲーションシステム「KD-NX5000」

Windows Mobileは、Windowsという名前を冠してはいるものの、開発当初からPC向けWindowsのサブセット版という位置づけで、Windowsを搭載したPCのデータを簡単に持ち歩き、素早く参照するという、PCとの親和性に優れた"PCコンパニオン"機器のために設計されている。Windows PCのOutlookとのPIM(連絡先や予定表や仕事(ToDo)などのパーソナルインフォメーションマネージャー)データの同期や、Word / Excel / PowerPointなどOffice形式のファイル閲覧、さらに一部機種ではそれらの編集もできるものの、PC用のWindowsのアプリケーションをインストールして使えるわけではない。またWindows Mobileは、OS単体で販売されているものではなく、"Windows Mobile搭載"や"Windows Mobile採用"と表記されたスマートフォンないし、最近では"Windows ケータイ"と呼ばれるデバイスに、OSイメージ(ROM)の形で書き込まれたものである。

こう聞くと、Windows Mobileには制約があるように感じるかも知れないが、PIM情報やメールを扱う「Outlook Mobile」、Word / Excel / PowerPointファイルを扱える「Office Mobile」、インターネット閲覧用に「Internet Explorer Mobile」といったアプリケーションは、Windows Mobileデバイスにほぼ標準で搭載されている。さらに、Windows Mobile向けに開発されたソフトウェアであれば、別途インストールすることで動作するようになっている。最近では、後から数々のWindows Mobile用オンラインソフトを導入することで、PCライクに利用できるようになっている。

また、2008年春時点の最新版であるWindows Mobile 6は3つのエディションに別れている。タッチパネルが無くケータイライクなオペレーションができる「Windows Mobile 6 Standard」、タッチパネルがあり手書きも可能な「Windows Mobile 6 Professional」、通信機能を持たない「Windows Mobile 6 Classic」の3種類で、それぞれが適合するハードウェアにインストールされ出荷されている。

タッチパネルを持たずキーのみで操作するStandardを搭載した「F1100」(NTTドコモ/富士通)

タッチパネル操作に対応するProfessionalを搭載した「EMONSTER S11HT」(イー・モバイル/HTC)

Windows Mobile 5.0とWindows Mobile 6の対照表

Windows Mobile 5.0 Windows Mobile 6 ターゲットとするデバイス
for Pocket PC Classic PDA (電話機能なし)
for Pocket PC Phone Edition Professional スマートフォン (タッチパネル付き)
for Smartphone Standard スマートフォン (タッチパネルなし)

それぞれのOSを採用して日本市場に投入されているデバイスの一覧表を次ページに用意したので参考にしてもらいたい。