内政重視か戦いへの道か……。バランス重視でいきましょう

プレイスタイルは人それぞれ。それがゲームの面白さだし、個性が如実に現れるのがシミュレーションゲームの醍醐味でもある。『信長の野望・革新 with パワーアップキット』でもそのあたりは当然同じ。「内政」を重視して、まずは国力を蓄えてから打って出るのもいいし、「軍事」のみに注力して、修羅の道を進むのもよいだろう。

とはいえ、「内政」ばかりに力を入れたくても限界がある。国によって建設できる施設に制限があるからだ。水田や畑だって同じ。おもにスペースの問題となるわけだが、とにかく自国だけの増強には限度があり、自ずと他国を攻める必要が生じる。ただし、他国を攻めるにしても「内政」を疎かにしていると、資金不足で十分な兵力を運用することができなくなる。このあたりのバランスは非常にシビアな印象で、特にゲーム序盤は苦労することになる。

さまざまな「交渉」で役立つ「特産品」の増産に有利なのが、新要素である「奉行所」。「建設」はとにかく効率的に、そして計画的に行うべし

「技術」の獲得が富国強兵への大きなポイント

『信長の野望・革新』では、単純な国力や兵力だけでなく「技術」が重要な鍵を握る。「技術」は、兵法的なものから内政に役立つものまでさまざま。「技術」の獲得が、軍事力や生産力の増強に密接につながっているというのが、本作の最大の特徴といえる。単純な力押しではなく、技術の裏づけがあってはじめて富国強兵が成り立つわけだ。「技術」に関しては、とにかく最優先で獲得するのが吉。「技術」を獲得していないと効率が悪いということもあるが、ほかの国に先んじて獲得することによって「名声」が大幅に上昇し、プレイが進行しやすくなるのだ。

そしてパワーアップキットで注目したいのが「南蛮技術」、つまり外国の技術が獲得可能になっている点だ。この「南蛮技術」は既存技術よりもかなり強力なもので、是が非でも獲得したいところ。技術の獲得は他国との交渉でも可能だが、何より早期獲得こそが全国統一への早道となる。「南蛮技術」を獲得するためには、外国との「特産品」を使った「貿易」が必要。とにかく「貿易」ができないと始まらないわけだ。その意味では「港」の重要性は非常に高い。もちろん「特産品」の確保も大事なポイントである。

「南蛮技術」の獲得は「貿易」で。その意味で「港」は重要な要素となる

本作には、大名などの勢力以外にも「寺社衆」や「忍者衆」、「国人衆」といった「諸勢力」が登場する。これらの勢力は自動的に行動し、味方にすればプレイヤーの支援を行ってくれる。「寺社衆」なら内政が有利になるし、「国人衆」なら軍事効果が高まるといった具合だ。これらの勢力はもちろん勝手に支援してくれるわけではなく、協定を結ぶ必要があり、その際に「金銭」や「特産品」を請求される。しかも、諸勢力同士には相性があって、すべての諸勢力と協定を結ぶことはできない。どの諸勢力と協定を結ぶかは、戦略上の大きなポイントとなってくる。

味方につけると、内政、外政ともに非常に心強い「諸勢力」。いったん敵に回ると……

「諸勢力」を味方につけるためには「金銭」なり「特産品」が必要。なお、裏技というほどではないが、力で屈服させれば、金も相性も関係なく協定関係になる

ゲームを進めていくと、「人材の壁」にぶつかることがある。建設を行うにせよ、戦うにせよ、技術を獲得するにせよ、一定数の武将を割く必要がある。つまり、配下の武将が不足すると、何もできないという状況に陥るわけだ。他国を攻め落とせば捕虜から登用することも可能だし、人材を「探索」することもできるが、それらを効率的に運用するには、それなりの熟練が必要。城などの拠点が増えれば増えるほど、このあたりが大きな悩みとなってくる。

さらに大きな問題となるのは、武将たちが平気で寝返ってしまうこと。せっかくの人材がカンタンに他国に引き抜かれてしまうのだ。このあたりはプレイヤーの腕という問題もあるが、結構ポンポンと引き抜かれていく印象がある。「忠誠」を100にすれば引き抜かれないのだが、財政面などを考えれば結構困難である。生まれた「姫」との婚姻で一門にする、はたまた「姫」を「姫武将」として活用する、といった解決法のほか、本作では築城した支城を配下武将に与えて「譜代家臣」にするという道が用意されている。「譜代家臣」にすれば、引き抜かれないのはもちろん、俸禄が不要になり、さらに能力値が上昇するというメリットもある。とにかく、いかに人材を育て、流出を防ぐか。まさに「人は城」なのである。

築いた「支城」を配下の家臣に与え「譜代家臣」にすると、俸禄が不要になるだけでなく、家臣の能力値もアップするのだ

引き続き次ページで、さらなるパワーアップキットの魅力を解説しよう。