リバーサルフィルム名の色モード

S100FSの「フィルムシミュレーション」モードは、「プロビア(PROVIA)」、「ベルビア(Velvia)」、「アステア(ASTIA)」、それと「ポートレート(PORTRAIT)」の4種類。スタンダードの「プロビア」では、色の濃さやトーン、シャープネスを調整できる。

ちなみに各モードで撮影した画像のExifを見ると、「プロビア」が「STANDARD」、「ベルビア」が「F2」、「アステア」が「F1b」、「ポートレート」が「F1c」と表示されていた。「F2」や「F1b」というのはS5 Proのフィルムシミュレーションで付けられている名称。S100FSではフィルムの名前を使用することで色を想像しやすくしたのだろう。このフィルムユーザーへの心配りが嬉しいところだ。

標準の「プロビア」は鮮やかな抜けの良い色なので、あらゆるシーンに対応できる。色の濃さやトーン、シャープネスなどの調整も可能となっているので、ダイナミックレンジ拡張機能を使用して「プロビア」に固定されても、きちんとユーザーの好みの色に対応できるようになっている。

「プロビア」以上に鮮やかなのが「ベルビア」だ。目の覚めるほどの発色で、状況によってはすぐに色浮きを起こしてしまうこともあり、人物の撮影では肌の色が不自然になってしまう。色が破綻しやすいので状況を選んで使ったほうがいいだろう。逆に曇りなどの抜けの悪い日や彩度が低い風景などでは、絵のアクセントとして役だってくれそうだ。

「アステア」はしっとりとした忠実な色合いだが、きちんと色は乗っていて色抜けも良い。個人的には、「フィルムシミュレーション」モードの中で一番好きな色合いだった。「ポートレート」はネガフィルムのような色合いで、コントラストは抑えめになっている。なお「アステア」と「ポートレート」は感度がISO 200以上という制限がつく。

人物撮影の場合、「ベルビア」はもちろん「プロビア」でも人物や背景がまるで南国リゾートのような色合いで写ることがある。自然な印象で撮りたいなら「ポートレート」を選ぶか、シーンポジション2の「ポートレート」「ポートレートソフト」「ベビー」「美肌」を選んだ方がいいだろう。

フィルムを選択する感覚で設定できる4種類の「フィルムシミュレーション」モードを搭載する

「PROVIA」は、色の濃さやトーン、シャープネスの調整も可能

プロビア(PROVIA)

ベルビア(Velvia)

アステア(ASTIA)

ポートレート(PORTRAIT)

プロビア+濃い

プロビア+薄い

プロビア+モノクロ

プロビア

ベルビア

アステア

ポートレート