インテルは9日、定例記者会見「インテル・クライアント・レギュラー・アップデート」を開催した。来日した米Intel 上席副社長 兼 モビリティ事業本部長 ダディ・パルムッター氏が、先日閉幕したIDF Shanghai 2008の注目トピックを紹介する。

ダディ・パルムッター氏

パルムッター氏はまず、同社の"チック-タック戦略"が、現在まで予定通りに進捗している事をアピール。今後についても2008年のNehalemの開発が順調であること、また、以降の次世代技術の開発も予測から外れずに推移しており、将来に渡ってチック-タック戦略に問題が無いことを強調した。

チック-タック戦略は順調だとアピール

次世代のマイクロアーキテクチャのNehalemについては、以下の様な特徴が改めて紹介されている。

・2、4または8コアまで対応するスケーラビリティ
・メモリコントローラの内蔵
・高速シリアルインタフェースであるQuickPathインターコネクトの採用
・2-WayのSMT
・マイクロアーキテクチャの拡張
・ダイナミックパワー管理
・拡張命令セットSSE4.2の搭載

Nehalemの量産出荷は2008年Q4中であることが改めて確認され、また、ノートPCプラットフォーム向けに同アーキテクチャが提供される時期が2009年になることも示された。

Nehalemベースのプラットフォームが2009年のCalpella

次いで、そのノートPCプラットフォームでの直近の情報として、2008年6月に立ち上げを予定するMontevinaプラットフォーム(Centrino 2)の概要が語られた。Montevinaの訴求ポイントは、処理能力向上や高性能外付けGPUに匹敵する映像体験を実現する「パフォーマンス」、進化した省電力機能による「バッテリーライフ」、シリコンの微細化や高密度実装技術などにより軽くて薄いデザインを可能とする「フォームファクタ」、新たにWiMAXのサポートも提供する「ワイヤレス」、ほかvProやVT関連の強化といった、大きく分けて5つ。

ブランド発表が行なわれたばかりのAtomプロセッサ、およびCentrino Atomについても、その位置づけや利点についての説明が行われた。Centrino Atomは主にMID向けに提供されるプラットフォームで、そのMIDとノートPCの間を埋める製品ジャンルとして、Atomプロセッサを搭載するNetbookが登場することとなる。製品の登場時期はともに6月頃がアナウンスされており、チップのメーカー出荷はすでに開始されている。

多様なニーズに対して、IAプロセッサの技術を幅広く投入

なお、AtomプロセッサおよびCentrino Atomは、主に省電力性能に主眼を置いた製品であり、NettopやNetbookに提供されるセグメントのAtomプロセッサでは、プロセッサ単体の消費電力は2~3W程で、さらに、システムで3Wレンジが求められるMID向けに提供されるCentrino Atomについては、CPU+チップセットで1W程だとされている。パルムッター氏は「Atomは絶対性能は低いが、消費電力はCore 2 Duoの10分の1。パワー効率は2~3倍だ」と話す。ちなみに、Nettop向けのAtom搭載マザーボードについては、関係筋からDIY市場への投入の計画も語られている。

最後に日本国内におけるWiMAXの状況も紹介された。2009年初頭に実証実験を東京で開始する