1カ所では完成しないから『産学連携』

研究とは、まったく新しい問題への挑戦である。現在もさまざまな企業を巻き込んで半導体製造分野の研究開発を行っている大見研究室では、どういった企業の力を必要とし、どのように連携を進めているのだろうか。大見教授は現在進行中の開発プロジェクトを例に挙げ、次のように語った。

「例えば、高純度なアルミ合金表面の複合研磨を行うにも3つの企業がか関わって技術開発をしています。まったく新しいことをするには、まったく新しい製造装置が必要。全部変えなければダメです。そのためには、たくさんの企業が一緒にならなければいけない。1カ所ですべてを開発できるわけがない。」と産学連携の必要性を強調した。そのうえで、以下のように連携を進めているという。

「こちらから各社に技術的課題を与えて、できるまで一緒にやります。『できないからやめます』という選択はありません。将来、必要だからやっているわけで、無理だからやめるというのはないんです。必要になる技術なのですから。」

将来必要とされる技術を見定めたうえで大学が中心になって企業をまとめあげる。各企業は、それぞれの専門分野に関する課題を解決するまで取り組むということだ。こうして開発した技術に関して、大見教授は絶対の自信を見せる。

「こうした世界にひとつしかない技術をパテントにして機械にまとめあげているので、どこにも負ける気がぜんぜんしないですね。(自分と同じようなことを)"やれるものならやってみろ"です。」