米ラスベガスで開催中の「2008 International CES」の松下電器産業のブースでは、基調講演でAVCネットワークス社の坂本俊弘社長が紹介した製品を中心に大規模なブースを展開している。特にプラズマテレビの「ビエラ」について、大型化、薄型化、高画質化、そしてネットワーク化という方向性を打ち出している。
大型化でいえば、やはり150型が最大の目玉。その大きさを前に圧倒されたように見ていく人が多かった。とはいえ、ここまで大型化すると一般には手を出しにくいので、その意味では薄型化として、1インチ以下という厚さを実現したモデルにも注目が集まっていた。
もう1つ注目されたのが、無線LAN搭載のデジタルカメラLUMIXだ。これ自体は現時点でまだプロトタイプで、ブースでは「DMC-TZ3」に無線LANを内蔵していたが、無線LANを内蔵するスペースがあるカメラだから、というのが理由のようだ。そのため、実際の製品化ではどういったカメラに無線LANが内蔵されるかはまだ分からない。
無線LAN自体はIEEE802.11g対応で、撮影した画像をGoogleの画像共有サイトPicasaにアップロードすることができる。米最大の無線LANホットスポットを構築するT-Mobileと提携することで購入後1年間のホットスポット無料利用が付属。手軽に外出先で画像をアップロードできるのが特徴だ。
米国ではホットスポットが普及、家庭での無線LAN利用も浸透しているため、市場性が高いと判断、現時点ではまずは米国から販売を開始する考えだという。無料のホットスポットであればT-Mobileを利用しなくてもアップロードできるほか、有料のホットスポットでも、Webブラウザによるログイン作業が不要またはT-Mobileと同様の仕組みであれば、T-Mobile以外でも利用できる可能性があるそうだ。
現時点では、アップロード先はPicasaのみ。このPicasaとの連携という点がポイントで、Picasaはビエラとも連携し、オンラインアルバムをビエラから閲覧することができるようになった。カメラとテレビがネットワークでつながり、新たな連携ができる、というのが大きなポイントだ。松下電器が中間サーバを用意し、Picasaのコンテンツを読み込み、ビエラ向けに表示する、という仕組みで、テレビ画面+リモコンでも見やすく操作しやすいのがいい。旅行先で撮影してすぐにアップロード、実家の両親が孫の写真をテレビで閲覧する、なんていう使い方もできるだろう。
なお、同様の仕組みはニコンがすでに先行しているが、すでに広く使われているPicasaを採用した点と、テレビとの連携を考慮した点が大きな違い。いずれにしても、今後無線LAN内蔵デジカメがさらに一般化してきそうだ。
ビエラにはさらに同じGoogleのYouTubeとの連携機能も搭載。Picasaと同様に中間サーバ経由でアクセスするため、リモコンで操作しやすい。どうやら、同社のデジカメ部隊が無線LAN機能を、テレビ部隊がYouTubeとの連携をそれぞれ模索している中、うまく両者を融合させたのが今回のサービスということのようだ。
YouTubeやPicasaへ接続できるインターネット接続対応のテレビも今回発表された。「PZ850」は1080pのフルHD対応となっており、46/50/58/65型を用意。手軽にYouTubeやPicasaにアクセスできるVIERACastに対応する。