SiS

AMD/Intelのどちらのプロセッサ向けにもバリューセグメントで一定のシェアを獲得しているのがSiS。ただし同社の悲願である、メインストリームとかパフォーマンスセグメントでは、依然シェアが取れないままの状態が続いている。そんな状況を反映してか、ロードマップも控えめというか、確実なところを狙った感が強い。

表18 : ロードマップ

表19 ; 製品仕様(Intel)

表20 : 製品仕様(AMD)

まずIntel向けであるが、ディスクリートグラフィック向けのSiS671DX、及び統合グラフィックのSiS672/672FXが主力商品となっている。これらのラインナップは、今年第2四半期を目処に、SiS665やSiS673シリーズへの置き換えを目指している。このシリーズの特徴は、

  • 1333MHz FSB対応(SiS665/SiS673FX)。
  • DDR3メモリへの対応。
  • Mirage 4グラフィックの搭載(SiS673FX/SiS673)。

というあたり。特にSiS673FXやSiS673には、これに加えてSiS Real Video Technologyなるものが追加され、H.264とVC-1のハードウェアデコードが可能になっている。ただ、それでもメモリそのものは1chのみ、というあたりがSiSのチップセットらしい。

これに加えて、SiS680シリーズという製品が現在ESの段階に入っている。これは1チップの製品で、機能的にはSiS673シリーズやSiS655に近い。SiS680シリーズの特徴は、全製品がピンコンパチブルな事で、1回ボード設計をすればバリエーションが増やしやすいという形になっている。面白いのはこのシリーズ、DDR3をサポートしない代わりにハイエンド品はDDR2-1066をサポートすることで、旬となる時期は2008年しかないだけに、順調に出てくれるかどうかちょっと気になるところだ。

一方AMD向けとしては、現在のSiS756/SiS761GX/SiS771というラインナップに、SiS757/SiS772が、これも第2四半期を目処に追加される予定だ。技術的にはそれほどのジャンプではないが、Intel向けも同時期にリリース予定なだけに、これだけの製品を本当にリリースできるのか? というあたりがちょっと気になる部分だ。