がんばれパナソニック!
吉田拓郎の古い歌に「イメージの詩」というのがある。その中で"古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう"と唄っている。つまり、古い船も新しい海へ出なければならないが、古い水夫は新しい海の恐さを知っている、という意味なのだが、パナソニックのL10を使っていてこの歌を思いだした。
賛否両論はあるが、ライカレンズを含めてL1には主張があった。L10はそれを仕切り直したというところだろう。L10はライブビューを前面に押して登場した。これはとてもいいことだと思う。撮像素子を使うライブビューだからこそ可能になることがある。例えば、各種の設定はモニターの変化を見ながらできるし、画面のどこでもピントが合わせられる。顔認識も突きつめれば、運動会の群衆の中で自分の子供に自動でピントを合わせることだってできるはず。
前ページまでで気になる部分をいくつも挙げてしまった。新しいことを始めようとすれば気になることがたくさんあるのは仕方がないところ。なにより、パナソニックに大きな期待をもっているから。一眼レフという"古い船"を動かすのは、参入したばかりのパナソニックの役目だろう。幸いなことに、古くからの一眼レフメーカーの中では比較的チャレンジャーであるオリンパスが味方についている。その力を借りて、一眼レフをさらに発展させられるはずだ。パナソニックの果たすべき役割は大きい。
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窓からの光で撮影。もう少し暗部が起きてもいいと思うが、抜けのいい写真になった |
空や花の色を出すため、フィルムモードを[ネイチャー]で撮影。かなり濃い色になる |
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こちらは[スタンダード]で撮影。それでも緑から赤の具合などが気持ちいい |
1段以上露出を上げて撮影。軽くなった色の中にも質感が残っている |
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ローアングル撮影で、囲いの中のモルモットに近づいた。フリーアングル液晶ならこういった撮影も簡単 |
ヤギの顔の下から撮影。これもフリーアングル液晶ならでは。顔が暗くなるので露出は大幅アップ |
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遠くに見えた工場。高い解像力とフラットに光をつかまえるレンズ性能 |
AFはシングルのまま撮影したが、動く被写体にもそこそこピントが合う。手ブレ補正も入れっぱなし |
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秋晴れの公園のコスモス。向こうは弁当を広げる子供たち |
広角で地面に書かれた文字を撮っていたら、子供がやってきた |
テスト撮影:川上卓也 (Mediart)
作例撮影:加藤真貴子 (WINDY Co.)
レポート:西尾 淳 (WINDY Co.)