日本市場にはユニークな8ビットマイコンを - 日本向けの戦略

日本では8ビットマイコンというと、国内メーカ製品が市場のほとんどを占めている。そのような中で、PICの日本での市場シェアはどの程度なのだろうか。これについて、Sanghi氏は次のように述べた。

「日本国内の8ビットマイコンの輸入量(海外メーカ製品)は5%弱といった程度である。その中で我々は2.7%のシェアを獲得している。つまり、輸入品に限って言えば、半数以上という高いシェアを占めている。また世界的な8ビットマイコン市場でみると、我々は16~18%のシェアを占めており、2006年には世界市場でNo.1になった。」

世界規模では高いシェアを獲得したが、日本市場においては国内メーカが圧倒的な強さを見せている。このような中、Microchip Technologyでは日本向けにどのような戦略を考えているのだろうか。

「我々には日本の8ビットマイコンにはない機能を備えた製品があり、こういった分野を中心に日本国内で販売を行っていく。例えば、小型で低消費電力といった製品や、KEELOQ暗号化モジュールを搭載した製品など、日本国内にないユニークな製品を開発している。また、マイコンと組み合わせて使うタッチセンサ用のソフトウェアも配布している。さらに、Webサイトやドキュメントの日本語化を進めていく。そのために日本国内に新たに専門の翻訳部隊を設けた。」

PICの製品ラインナップを見ると、確かにユニークな製品も多い。例えばRFトランスミッタを搭載した「rfPIC12」ファミリなどがあり、レシーバ用の「rfRXD」ファミリと組み合わせ、ループアンテナを外付けすることで310~480MHz帯の無線通信を行うことができる。これにより、取得したセンサからのデータを無線通信で伝送するテレメトリシステムや、キーレスエントリシステムを構築することができる。

また、 16ビットマイコンにはDSP機能を搭載した「dsPIC」ファミリがあり、ディジタルフィルタなどディジタル信号処理をプログラミングすることができる。