USB 3.0規格へのスムースな移行を目指した新団体
プラットフォームレベルの取り組みを説明する上でGelsinger氏は、省電力技術と共にI/O関連の進展にも言及し、USB 3.0規格の策定を推進する「USB 3.0 Promoter Group」の結成を発表した。USB 1.0~2.0デバイスとの互換性確保を実現するための新団体結成であり、現在Hewlett-Packard、NEC、NXP Semiconductors、Microsoft、Texas Instrumentsなどがメンバーとなっている。USB 3.0は銅線とオプティカルの両方をサポートしたインタフェースであるのが特徴で、USB 2.0のおよそ10倍の伝送速度までスケーラブルに対応する。
レコードプレーヤー、冷蔵庫、ロケットランチャーなどのUSB対応グッズを紹介。Gelsinger氏によると、2006年以降、20億以上のUSBデバイスが出荷されている。USB 3.0を策定する上で、USB 1.0~2.0のバックワード互換は欠かせない |
USB 3.0ケーブルのモックアップを見せるGelsnger氏。銅線とオプティカルへの対応がまとめられている |
マルチコア・プロセッサやバーチャリゼーションなどの新技術対応を強化したギガビットEthernet用コントローラ「Intel 82598 10 Gigabit Ethernet Controller」。Fibre Channel over Ethernet(FCoE)の利用を視野に入れて設計されている |
SATA 3.0Gbpsに対応したサーバー向けのSSDのプロトタイプを見せるGelsinger氏 |
45nm世代のエンタープライズ向けプラットフォームが対応を強化する分野として、バーチャリゼーションとセキュリティが挙げられた。まずSun Microsystemsのエグゼゼクティブ・バイスプレジデントであるJohn Fowler氏が招かれ、データセンターに到来した"バーチャリゼーションの波"についてGelsinger氏と議論した。
Sunのエグゼゼクティブ・バイスプレジデントであるJohn Fowler氏 |
"バーチャリゼーションの波"として、Xeon 7300を搭載したSunのサーバ、HP Proliant DL580 G5 Server、Lenovo R630 G7 Server、IBM x3950 System X Server、Hitachi BladeSymphony 1000などを紹介 |
セキュリティでは、2008年下半期に登場予定のvPro第3世代「McCreary」が紹介され、ゲストとしてCREDANT Technologies CEOがBob Heard氏が登場。McCrearyのEaglelakeチップセットは、Danburyテクノロジ/ TPM(Trusted Platform Module) 1.2/ AMT 5.0をサポートしており、Heard氏はハードウエアレベルの暗号化とシンプルな鍵管理によってもたらされる堅固なセキュリティへの期待を語った。
また昨年秋のIDFで提案された「SaaS Enabled Client」についてもアップデートが行われ、Citrix SystemsのMark B. Templeton氏がデータ保護とクライアント管理の今後の可能性としてデスクトップ・ストリーミングを実演した。壇上にはWindows XPで動作するvPro搭載のデスクトップが置かれていたが、Templeton氏によるとマシンにOSはインストールされておらず、ストリーミングで提供されているという。その証明として、その場でWindows Vistaのイメージで再起動して見せた。モバイル向けにはアプリケーションを一切備えていないWindows Vista搭載機に、Acrobat Readerをストリーミング提供してPDFドキュメントを開いた。