簡単契約、すぐに利用可能
今回のX61は、通常のモデルとの外観上の違いがあり、液晶右側に伸張式のアンテナが搭載されている。X61は液晶の額縁が狭いのでアンテナが内蔵できなかったようだが、アンテナを伸ばすことで通信品質の向上も期待できるだろう。使ってみた印象では、アンテナを伸ばさなくても接続には影響がないように感じたが、もし接続が安定しない場合にはアンテナを伸ばしてみるといいかもしれない。
アンテナの出っ張りが片方だけのため、少々デザインがアンバランスになっているのが残念なところ。出っ張り自体は最小限に抑えられてはいるが、液晶の額縁内に収められていればなおよかった。
実際の利用には、まず専用の回線契約を結ぶ必要がある。auショップなどの店頭で契約する必要はなく、X61に搭載された専用のオンラインサインアップソフトを使えばいい(個人契約の場合。法人の場合は郵送申し込み)。
デスクトップ上の「通信機能搭載PC向け auオンラインサインアップサービス」アイコンをクリックして起動し、ここから「加入申込」→「サービス開始手続き」を行う。未契約時でも、オンラインサインアップのためのネット接続は無料で行える。なお、解約もここから行える。auによれば、加入申し込みからサービス開始まではメールアドレスさえあれば「通常は数分」という。今回は評価機だったので開通時間は検証できなかったが、開通作業は簡単なようだ。
料金プランは、auのパケットデータ通信専用プラン「PacketWINシングル」の中から選択する。「WINシングルLL」(基本使用料月額12,390円)から「WINシングルSS」(同1,500円)まで5プランが用意される。毎月の使用量が多い場合は上位のプランを、たまに使うぐらいであれば下位のプランを利用すればいいだろう。
通常の携帯電話を使った接続と同様に、PacketWIN対応インターネット接続プロバイダとの契約も必要だ。通常利用しているプロバイダがPacketWINに対応していればそれを使えばいいし、そうでなければauが提供する接続サービス「au.NET」を使ってもいい。au.NETは、利用月のみ月額945円の利用料が発生するが、特別な登録などは不要ですぐにサービスを利用できる。
開通後は、通常のインターネット接続を行えばいい。接続ソフトでは、ThinkPad定番の「ThinkVantage Access Connection」を利用。モデムとして「KCMP Modem」を選択し、自身のISPなりau.NETなりのIDとパスワード、電話番号を登録しておけばいい。
Access Connectionでは、携帯電話接続に加えて無線LANのネット接続も管理でき、接続時に特定のアプリケーションを起動するなどの機能も提供する。タスクバーの通知領域のアイコンクリックから簡単にネット接続をすることもできる。また、電波の信号強度や接続時間、送受信バイト数も確認できる。
契約自体はすぐに行えるようだし、ネット接続発生時に、自動的に携帯電話接続するように設定しておけば、PCを開いてすぐにネット接続できるようになる。この手軽さは、iモードやEZwebといった携帯ネットに接続したり、W-ZERO3のような通信機能内蔵PDAを使ったりするのと気分は変わらない。特別な気構えも作業もいらない。この手軽さが、携帯電話内蔵PCの最大のメリットだろう。
実際の通信速度は、8月5日の午後11時45分の計測(東京都江東区)で下り0.45Mbps(gooスピードテスト)と、WINの通信速度を生かしきっているわけではない。場所や時間によって変わってくるので何とも言えないが、試した限りは1Mbpsを超える速度は出なかった。