定額制で本当の実力を発揮する
自宅の通信回線が大容量化し、常時接続がすっかり常識化してきた。携帯電話の性能も上がり、多くの人が携帯電話でのネット接続を利用している。携帯電話のパケット料金定額化も進展しているので、誰でも、いつでも、どこでも、ネットを利用できる時代が訪れている。
ところが、外出先でのPCを使ったモバイル通信はまだまだ発展途上にある。公衆無線LANは場所が限られるし、携帯電話はPC接続での通信が定額制ではないため、使えば使うほどパケット料金が増え続ける。
一部、イー・モバイルのように理論値で下り最大3.6Mbps、月額5,800円の定額制を採用しているキャリアもあるが、まだカバーエリアが全国レベルではないし、全国で使えることを考えると、選択肢としてはウィルコムぐらいしかない。
今回の通信機能内蔵のX61も、無線LAN、Bluetooth、そして携帯電話と、内蔵の無線機能は完璧で手軽さは群を抜いているが、結局パケット代は従量課金制になっており、使えば使うほど料金はかさむ。特に今回はネット接続があまりに手軽なため、これまで以上に料金には注意が必要になる。
以前、国民生活センターが警告したように、携帯電話をPCにつないでネット接続したときのパケット代は、気づかないうちに高額になりがちだ。このX61でもパケット代が数十万円レベルになってしまう危険性がある。実際、今回X61で原稿を書きつつ、調べ物をしつつ、スピードテストを行っていたところ、簡単に数万円のパケット代を突破してしまった。
auが提供しているソフトに、パケット代を推定する「パケットカウンター」があるので、ぜひこれをダウンロードして利用すべきだ。できるならプリインストールして、あらかじめAccess Connectionの自動起動設定に登録されてあれば親切だっただろう。
また、たとえば1日のパケット使用量を限定したり、一定のパケット量になると警告したりするような仕組みもほしかったところ。こうした問題に対しては最終的には定額制が有効であるのは間違いない。au側は定額制の導入には慎重だが、最大手のNTTドコモも今秋にはPHSサービスの代替として定額制の導入を図る意向であり、今後auにも期待していきたい。
ところで、X61の基本的なスペックに関しても一応おさらいしておこう。X61は、CPUにインテルCore2 Duo T7300(2GHz)を搭載。チップセットはモバイル インテル GM965 Expressで、メモリは1GB(最大4GB)、HDDは160GB。ディスプレイは12.1型(1,024×768)TFT液晶で、モデム、10Base/100Base-T、IEEE802.11a/b/g、Bluetooth、PCカードType I/IIスロット、SDメモリーカードスロットといったインタフェースを備える。
そのほか、指紋センサー、落下などの衝撃を和らげるHDDショック・アブソーバー、HDDショック・マウンテッドドライブ、ThinkVantageハードディスク・アクティブプロテクション・システムといった機能を搭載する。基本的には通常のX61にauの通信モジュールを内蔵したと考えていい。