プロセッサはQX6850のほか比較用にQX6800を用意した。ちなみに、両方ともコアステッピングは前項で紹介した最新のG-0のものだ。細かいところは、CPU-Zを利用して確認して行こう。

さて、主な違いだが、システムクロックがQX6800での266MHzから、QX6850では333MHzへと高速化されている。QX6800は内部倍率11倍なので2.93GHzで動作し、FSBがQuad Data Rateで1066MHz。QX6850は内部倍率9倍なので3GHzで動作し、FSBが1333MHzとなっているわけだ。

左がQX6800で、右がQX6850。クロック以外の仕様は同じと考えていいだろう

メインメモリは、QX6800の環境ではシステムクロック/メモリクロックの比率を2/3と設定し、400MHzの倍データレート=PC2-6400(DDR2-800)で動作。QX6850の環境ではシステムクロック/メモリクロックを5/6と設定し、同じく400MHzの倍データレート=PC2-6400(DDR2-800)で動作させている。

左がQX6800で、右がQX6850。メモリはどちらもPC2-6400で動作している。FSB 1333MHzでどこまで成績を伸ばせるか

FSBの帯域幅は、QX6800のFSB 1066MHzではこれが最大8.5GB/sec。QX6850のFSB 1333MHzではこれが最大10.6GB/secだ。一方メモリの帯域幅はというと、PC2-6400の帯域幅は最大6.4GB/secであり、これをデュアルチャンネルで動作させるため、理論値は最大で12.8GB/secとなる。つまりはボトルネックがFSB側に存在する構成となっており、このような構成であれば、FSB 1333MHzの改良効果がより発揮しやすい状況にあると予想できる。

実際のところは、次項から示すベンチマークテストの結果で確認してほしい。なお、今回のテストだが、QX6850のアーキテクチャそのものには、従来製品と比べてそれほど大きな違いはないだろうという判断から、QX6800との簡単な比較のみにとどめている。広く従来製品や競合製品との比較は、本稿のテスト結果を基に、こちらのQX6800のレビュー記事や、Athlon 64 FX-74のレビュー記事、もしくはAthlon 64 X2 6000+のレビュー記事あたりを参考に類推していただきたい。