韓国ゲーム産業振興院は、日本のコンピュータエンターテインメント協会と共同で、日韓のゲームユーザーに関するレポート「2007 日韓ゲーム利用者調査報告書」を発刊した。

調査は韓国の五大都市に住む満9~49歳の1,700人、日本の東京および京阪神地域などに住む満3~59歳の1,100人の人を対象に実施された。

日韓の違い浮き彫りに

今回の調査では、日韓におけるゲームへの考え方や接し方の違いが明らかになった。

もっとも利用するプラットフォームに関する質問では、韓国ユーザーはオンラインゲームが76.8%、次いでPCゲームと家庭用ビデオゲームがそれぞれ13.6%、モバイルゲームが3.2%という結果となった。やはり韓国ではブロードバンドを利用したオンラインゲームの利用率が圧倒的に高いようだ。

一方、日本では携帯用ゲームが39.3%でもっとも高く、次いで家庭用のビデオゲームが19.0%、PCゲームが14.1%と続いている。

こうして見ると、韓国は固定した場所で遊べるゲーム、日本は携帯用ゲームが人気を得ているようだ。これに関連する質問として、インターネットカフェの訪問目的がある。韓国の回答では「ゲーム」が挙げられたのに対し、日本では「漫画や本を読む」「休む・寝る」といった項目が挙げられ両国間に差が出た。

これは日韓におけるインターネットカフェそのものの違いによるものだと考えられる。日本のインターネットカフェは単にインターネットをするだけでなく、漫画本や飲み物なども充実したくつろげる場所となっているのに対し、韓国の場合はPCがずらりと並んだ空間になっているのだ。簡単な飲み物は提供されるが、漫画本は置いていない。接続速度は大変速いので、オンラインゲームに熱中する若者でにぎわっている。

ブロードバンド環境が充実し、室内でゲームを楽しむことが定着している韓国と、携帯用ゲーム機が流行している日本との違いが、こうした数値になって出てきているようだ。

両国間で共通項も

両国間でほとんど共通している部分もある。

現在ゲームを利用しているかどうかという質問に対して、韓国では「している」との割合が52.7%に上った。これが日本においては43.4%で、日本が若干少ないものの大きな差は見られなかった。

また、もっとも好きなゲームジャンルは、日本44.6%、韓国33.1%で「RPG」が挙げられた。その他のジャンルでは、韓国はシミュレーションゲームが13.3%、シューティングゲームが10.7%の支持を得た。日本ではスポーツゲームが30.1%、パズル・クイズが27.9%、アクションが27.6%との結果が出ている。

韓国ではオンラインゲームに多いジャンル、日本では現在のトレンドを反映した結果となっているが、両国で高い支持を得たRPGは普遍の人気ジャンルになっている。それだけRPGで優れたゲームが多いことを反映しているのかもしれない。

ゲームの好みの傾向や利用状況は、その国のインフラ・環境や流行などにより大きく異なってくるようだ。ただし、そうした中でも共通項はあり、それはゲームのプラットフォームにも左右されないものであることが判明したといえる。