ここのところ、東芝 セミコンダクター&ストレージ社が積極的にポータブルHDDの「CANVIO」シリーズをリリースしている。すべてに東芝製のHDDを採用していたり、USB 3.0対応、Mac OS X用のNTFSドライバ同梱など、個性的な作りが興味深い。市場やユーザーの評価もおおむね好評のようだ。

最新のCANVIOシリーズについては、別記事『東芝、自社製HDD採用の外付け型HDD「CANVIO」に厚さ9mmの薄型モデルなど』を参照いただくとして、ここでは最新モデルの中から「CANVIO SLIM」を取り上げてみたい。

CANVIO SLIM

USB 3.0 Micro-Bコネクタ

45cmのUSB 3.0ケーブルが付属

彫り込みのロゴ

CANVIO SLIMは、その名の通りスリムなポータブルHDDだ。アルミ素材のボディはヘアライン加工が施され、なかなかカッコイイ。小型薄型の本体に、ヘアライン加工が良く似合っている。厚さ7mmの東芝製2.5インチHDDを採用しており、本体サイズはW75×D107×H9mm、重量は約115g、シルバー/ブラックの2色が用意されている。容量は500GBだ。インタフェースはUSB 3.0で、電源はUSBバスパワー、45cmのUSB 3.0ケーブルが付属する。

CANVIO SLIMの厚みは、たったの9mm

UltrabookとCANVIO SLIMを一緒に持ち運ぶ

CANVIO SLIMは、その薄さと軽さから、UltrabookやモバイルノートPCと一緒に持ち運ぶ使い方に向いている。さらに、CANVIO SLIMにパスワードロックをかけるユーティリティを同梱しているのも嬉しいところ。万が一、CANVIO SLIMを紛失したり置き忘れたりしても、ロックしていれば他のPCで使えない。持ち運ぶストレージデバイスには、パスワードロックや暗号化が必須だ。

CANVIO SLIMはUltrabookと相性抜群。写真のUltrabookは東芝の「dynabook R631」

さて、モバイルを重視した軽量薄型のUltrabookやノートPCは、内蔵ストレージの容量が少ないことが多く、何らかの補助ストレージを使っている人もたくさんいるはず。補助ストレージとしては、外付け型のポータブルHDD、USBメモリ、SDメモリーカードなどの各種メモリメディア、クラウドストレージなどが考えられるだろう。

どれを選ぶかはユーザーのスタイルしだいだが、筆者にとってはポータブルHDDがベストチョイス。最大の理由は、やはり容量だ。ポータブルHDDの容量は数百GBから1TB以上の製品が多く、事実上、容量を気にせず使える。最近の製品は読み書きも速いので、大きなストレスも感じない。

メモリーカードとクラウドストレージは、容量とスピードで満足できなかった。加えて、クラウドストレージには、インターネット回線の確保という制約も生じる。メモリカードとクラウドストレージには、持ち運ぶ際のサイズやら重量、耐衝撃性といった大きなメリットもあるが、筆者のワークスタイルには容量のほうが重要だ。

dynabook R631とCANVIO SLIMをつないだところ(写真左)。マウスを使うときは、dynabook R631の左側や背面にCANVIO SLIMを置く。写真右は筆者のインナーバッグ。Ultrabook、デジタルカメラ、WiMAXルータなどと並んで、CANVIO SLIMもすんなりと追加できた

そうした自分要望を持っていたので、CANVIO SLIMには発表当初から目を付けていた。容量は500GBで十分だし、本体が薄くて軽いのは大きなポイント。CANVIO SLIMの厚みは9mmで、Ultrabookを入れているインナーバッグのポケットに楽々収まる。重量も約115gと、普段の荷物全体では微々たるもの。もちろん、荷物は少しでも軽くしたいという向きも理解できるし、繰り返しになるが自分にとっては容量が第一なのだ。

前置きが長くなったが、次ページではCANVIO SLIMの簡単なベンチマークテストや、実際に日々の行動をともにして感じたことなどを紹介しよう。

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