プライバシーは今や組織にとって最重要の検討事項となっている。個人情報を扱うビジネスでは、特にデータプライバシーを優先し、データの収集方法や使用方法について熟慮しなければならない。プライバシーを最優先としたデータ戦略は、現代の企業が採用する戦略の1つといえる。

では、このようなデータ戦略をどう実践すればいいのか。主要なテクノロジーコンポーネントとなるのがカスタマーデータプラットフォーム(CDP)である。CDPは企業が適切なタイミングで適切な種類のコンテンツやオファー、情報を消費者に提供することをサポートするシステムだ。CDPを活用することで、消費者と企業の信頼関係を構築できるだろう。

消費者は企業との信頼関係を重視する

消費者が重視するのはデジタルでの取引における信頼だ。企業が信頼を提供できない場合、多くの人は取引を別の企業に移してしまう。

ここでいう“信頼”とは、企業が個人データを処理し、第三者と共有する理由や方法、内容を消費者に対して明確に提示することである。企業はしばしば顧客データの取得と引き換えに、商品を割引で購入できるクーポンなどの特典を消費者に提供する。消費者はそうした特典と引き換えに自分の情報が収集され追跡されることを理解しているが、その上で企業との信頼できる体験を期待しているのだ。

仮に消費者と企業の間に信頼が確立または維持できない場合、大きな損失を被る可能性もある。PwCの調査によると回答者の71%は「信頼を失った企業からはあまり購入しない」と回答しており、そのうち73%は「購入額を大幅に減らす」と回答している。消費者は自分が好きなブランドを信頼したいと考えているが、そうだとしても消費者の85%はデータプライバシーに関する企業の不手際を許さないのである。

データプライバシー規制の歴史

では、どうすれば企業は消費者と信頼関係を構築できるのか。もっとも重要な要素となるのが「透明性」と「価値」の2つである。

透明性とは顧客データがどのような目的でどのように処理されるのかを明示することだ。2018年に一般データ保護規制(GDPR)が導入される以前から、企業はマーケティング目的で消費者のデータを収集していたが、その際に消費者から同意を得ることはほとんどなかった。Cookieバナーやプライバシーポリシーは当時から認知されていたが、フレームワークが異なっていたために、価値交換がなぜ重要なのかを消費者に理解してもらうための業界標準や法的基準は存在していなかったのだ。

こうした環境のなか、プライバシー規制を制度化する上での最初のステップである「同意の取得と管理」がスタートした。この規制により、消費者は自分のデータがいつどのように使われるのかを決定する権限を獲得したのだ。

このような透明性は、企業の信頼の基盤を構築することにつながる。そして最終的には企業にとって現在および将来の競争力を持つことに貢献するだろう。

複雑な顧客データのニーズには、シンプルで柔軟なソリューションが必要

具体的にCDP、特にTealiumのCDPがプライバシーと消費者の信頼を戦略的優位性に変える方法とはどのようなものだろうか。

まず、知っておきたいのは「プライバシーパラドックス」だ。これは、プライバシーに関する消費者の懸念と、実際のオンラインでの行動や要望との間に矛盾があることを示す言葉としてガートナーが名付けたものである。ここでいう矛盾とは、「消費者は企業に対して、自分たちのことを理解し、最適なユーザー体験を提供してほしい」と望んでいるにもかかわらず、「データプライバシーの権利を尊重する」ことも同時に求めているということだ。

この矛盾を解決するには、すばらしい体験を提供しながら、同時にプライバシーコンプライアンスの要件を満たす方法で顧客データを収集し、充実させるソリューションが必要となる。

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