Office 365の構成
Office 365は、内部的にはExchange、SharePoint、Skype、Officeアプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)、その他のクラウドサービス、そしてそれらのプラットフォームであるAzure、多数のクラウドサービスで構成され、それらが複雑に連携しています。 今回から、このうちSharePointの主要なサービスである「サイト」を紹介します。
Office 365の2つのサイト
Office 365にはサイトの種類が2つあります。
サイトの種類 | 目的 |
---|---|
サイト名 | チームサイト プロジェクトや部署、サークルなど、テナント内の特定のメンバーだけで構成するサイトです。ファイル共有などの情報共有や共同作業に最適化した初期デザインになっています。自動的にExchangeのサービスのグループと連携します。 当連載の前回(第31回)で紹介したグループサイトと同じです。Office 365では、過去のサービスの変遷の経緯から、Exchangeグループではグループサイト、SharePointではチームサイトという用語を使用します。 |
コミュニケーションサイト | テナント内全体に広く告知したり、情報共有したりするサイトです。ポータルサイトや掲示板やSNS的な色彩の強い初期デザインになっています。 |
いずれも、強力にカスタマイズすることができますので、サイトで使用できるコンテンツの種類やページの作成などに大きな違いはありません。一番の違いはExchangeのグループと連携するかどうかでしょう。初期設定の見た目のデザインよりも、用途、目的でどちらを作成するかを選択します。
Office 365で作成したサイトは、一般的なCMSなどに比較すると、WordやExcel、PowerPoint、Outlookなどとの親和性が高く、Office文書を動的にWebページに適用できるなど、ビジネスの現場で高い利用効率を発揮します。
パブリックサイトは廃止
以前のバージョンのOffice 365では、チームサイト、コミュニケーションサイト以外に、「パブリックサイト」または「パブリックWebサイト」というWebサイトを作成できました。これは、SharePointで作成したサイトをインターネットで外部に一般公開できる機能です。サインイン不要の匿名アクセス可能なサイトです。パブリックサイトは廃止することが決定しています。
すでに2015年3月9日以降、パブリックサイトを新規作成することはできません。既存のパブリックサイトも2017年5月1日より匿名アクセスできなくなっています。2018年3月31日には既存パブリックサイトは完全に自動削除されます。
なお、自動削除後のパブリックサイトは、当面の間SharePointのごみ箱に入っています。必要なデータがあれば、ごみ箱からも抹消される前に、他の共有フォルダに移動するか、ダウンロードしておくといいでしょう。
(1)メニューにはまだパブリックサイトのメニューが残されていて運用も可能ですが、パブリックサイトを新規に作成することはできません。
(2)パブリックサイトの管理者がアクセスすると、警告文が表示されます。
パブリックサイトの廃止に伴い、Office 365には提携ホスティングサービスとして「パートナーWebサイト」のGoDaddyやWix.comが用意されました。
(3)新規に一般公開サイトを作成するときは、Office 365の「Admin center」にテナント管理者権限でサインインして、「リソース」→「パブリックWebサイト」をクリックし、GoDaddyやWix.comにアクセスできます。
ただし……私見ではありますが、GoDaddyやWix.comを無条件に利用するよりも、作成したいパブリックサイトの目的や仕様にあったホスティングサービスを広く探した方がいいでしょう。
GoDaddyやWix.comが特別Office 365と密接に連携してくれるわけではありません。インターネットドメインの取得や設定に関わるDNS設定などについてOffice 365に対応していますが、それだけのためにGoDaddyやWix.comを選ぶメリットは少ないように思います。既存のSharePointパブリックサイトをGoDaddyやWix.comに移行する方法については、Office 365のサポートサイトで「SharePoint Online のパブリック Web サイトをパートナー Web サイトに移行する」と検索して下さい。
サイトの作成と削除
当連載では、SharePointサイトであるチームサイトとコミュニケーションサイトだけを取り上げます。パートナーWebサイトについては、Office 365の外部になってしまいますので取り上げません。
今回は、まずサイトの作成方法と削除方法を紹介します。まずは使ってみないと分からない機能も多いので、テスト用のサイトをまず作成してみるのもいいでしょう。チームサイトもコミュニケーションサイトも、テナント管理者ではない一般ユーザーも作成できます。
チームサイトを作成する
当連載第29回の方法で、「グループ」として作成する方法もありますが、今回はSharePointのメニューから作成する方法を紹介します。
(4)アプリボタンをクリックし、アプリ起動ツールの「SharePoint」ボタンをクリックします。
(5)「+サイトの作成」をクリックします。
(6)「チームサイト」をクリックします。
(7)必要事項を入力あるいは選択し、「次へ」をクリックします。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
サイト名 | サイトのタイトルを入力します。 半角英数字で入力した場合、自動的にグループメールアドレスを生成します。 |
グループメールアドレス | このサイトに連携する共有メールアドレスの、@から前の部分になります。またサイトアドレスの一部として使用します。 自動生成されたグループメールアドレスを変更したいとき、またはサイト名が日本語のときには、テキストボックス右側のペン(編集)ボタンをクリックしてアドレスを入力して下さい。 |
サイトの説明 | サイトの説明文を入力します。 |
プライバシーの設定 | 「パブリック」または「プライベート」を選択します。 「パブリック」を選択すると、テナントの全ユーザーがアクセスできます。(投稿、編集の制限は可能) 「プライベート」を選択すると、チームのメンバーにしかアクセスできません。 |
このサイトにアクセスするときのURLになりますので、「サイトアドレス」をメモしておきます。
(8)所有者、メンバーを追加し、「完了」ボタンをクリックします。Office 365のユーザー名(メールアドレス)を入力します。それぞれ複数のユーザーを設定できます。
※「完了」ボタンをクリックして、Office 365の内部で関連ファイルが自動生成され、各種サーバー設定が行われます。チームサイトが完全に作成されるまで、数分~10分以上かかることもあります。
(9)チームサイトが生成されました。
チームサイトを削除する
削除方法が分からないと気軽に作成できないため、チームサイトの削除方法も紹介します。
なお、作成直後のチームサイトは削除しないでください。作成後、少なくとも1時間程度経過してから削除して下さい。作成直後は、まだサイト作成のバックグラウンド処理が稼働している可能性があります。サイト作成の処理が稼働中に削除処理を始めるとトラブルの原因になる可能性があります。
(10)削除したいチームサイトを開き、歯車(設定)ボタンをクリックして、「サイト情報」をクリックします。
(11)「サイトの削除」をクリックします。
(12)確認ウインドウで、チェックボックスをオンにし、「削除」をクリックします。
※完全に削除されるまで、10分以上かかることもあります。
コミュニケーションサイトの作成
コミュニケーションサイトの作成も、基本的にはチームサイトの作成と同じです。まずチームサイトの作成手順(4)~(5)と同様の手続きをしてください。
(13)「コミュニケーションサイト」をクリックします。
(14)必要事項を入力または選択し、「完了」ボタンをクリックします。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
デザインの選択 | 「トピック」、「ショーケース」、「白紙」から、初期設定のデザインテンプレートを選択します。デザインを選択すると、デザイン例を表示します。初期設定は「トピック」。 |
サイト名 | サイトのタイトルを入力します。 半角英数字で入力した場合、自動的にサイトアドレスを生成します。 |
サイトアドレス | このサイトにアドレスに使用される文字列です。 自動生成されたサイトアドレスを変更したいとき、またはサイト名が日本語のときには、テキストボックス右側のペン(編集)ボタンをクリックして、アドレスを入力して下さい。 |
サイトの説明 | サイトの説明文を入力します。 |
(15)「ショーケース」デザインの選択例。
(16)「白紙」デザインの例。「トピック」とも「ショーケース」とも異なるデザインを新規作成したいときに選択します。
コミュニケーションサイトを削除する
コミュニケーションサイトの削除方法は、チームサイトの削除方法と全く同じです。手順(10)~(12)を参照してください。
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